社会人3年目の転職について考える

キャリア

こんにちは。シャチホコです。

社会人3年目になると、様々な環境の変化と現場の仕事にある程度慣れが出てくることから、「今の会社を辞めたい」と考える時期である。また、周りが結婚や転職をし、生活環境を能動的に変えている中で「自分はこのままで良いのだろうか」と悩む時期である。

自分自身のキャリアについて考えることは素晴らしいことだ。就職活動を勝ち抜き、なんとか掴み取った内定からもう3年。改めて自分自身がやりたいことについて考えてみてほしい。

その中で君たちにおすすめしたいのが、“転職”を人生のスコープに入れることだ。理由は明確だ。世の中には、第二新卒という転職市場が存在する。主に社会人3年目までの社員をポテンシャル採用するというものだ。簡単に言うと、ポテンシャルで採用される分、通常の中途採用よりも選択肢が広く、君がやりたいと思っていることに挑戦しやすいのである。

転職するにせよ、しないにせよ、外の環境をみて、今の会社に残るか否かの判断をしてほしい。

転職って気軽にしていいものなの?

日本における転職のイメージは変わりつつある。結論から言うと、転職をしない方がリスクになりつつあるのである。実際に僕が勤めている会社では、かなり積極的に中途採用の活動を行なっている。新卒至上主義と言われていた、あのdocomoでさえも中途採用を積極的に行なっている。これから先、欧米型の働き方に移行していく中で、転職することが当たり前になる時代がやってくる。

ここではまず下記について解説していく。

  • なぜ転職が当たり前になるのか
  • 転職未経験者の市場価値が低くなる理由

なぜ転職が当たり前になるのか

日本における終身雇用・年功序列の仕組みはほとんど崩壊しつつある。ソニー、NEC、日立製作所といった日本の名だたる大企業が数万人規模で大規模リストラを行ったことを知っているだろうか。このレベルの大企業がリストラを刊行するするということは、日本のほとんどの企業において、「いつリストラされるかわからない」という状況であることを理解した方がいい。

これからの日本は間違いなく、欧米型の雇用形態になるだろう。欧米型の雇用形態とは「ジョブ型雇用」といわれる雇用形態で、総合職という曖昧なキャリアが淘汰され、専門性の高いプロフェッショナルが重視される。そして、年功序列の給与形態ではなくなり結果を評価するウェイトが高まるのだ。

実際に、富士通、資生堂、KDDIといった大企業たちがこのジョブ型雇用の採用を公表している。今後数年でジョブ型雇用へのシフトはますます加速する。良い給料をもらいたいと思うなら、転職をうまく活用し、自分のキャリア・専門性を高め方を自分で考える必要があるのである。

転職未経験者の市場価値が低くなる理由

採用する側からすると、転職未経験者については下記の3つの疑問を抱くことなる。

  • 実績の再現性
  • 環境適応力
  • 主体性

実績の再現性

君が営業職だったとしよう。A君は面接の時に、「今勤めている会社で、3年連続全国営業成績1位です」とアピールする。一方で、B君は「これまで3社に勤め、地域の実績ですが3社で営業成績1位を獲得しました」とアピールするとする。君ならどちらを採用するだろうか。

採用する側からすると、自社で実績を上げてくれる可能性が高いのはB君という結論なる。なぜなら、営業経験者なら誰もがわかると思うが、環境や売るもので実績は大きく影響される。A君は1社での成功しかないのに対し、B君は3社で一定の実績を収めている。自社に来た際にも成功する実績の再現性がA君より高いと判断されるのだ。

環境適応力

これはシンプルだ。1社に長く勤めていた人が、転職をした際に自社に馴染めるかという疑問である。企業側は高いコストを払い、採用活動を行う。当然長く勤務してくれる人材を確保したい。一方で、1つの環境に長く勤めている人間が、自社の文化や慣習に馴染めるかは採用側にするとリスクである

ここでも転職経験者の方が、採用されやすい理由がわかるだろう。

主体性

これは偏った見方かもしれないが、「これまで転職をしていない人は、主体性のない人だ」と判断される可能性がある。なぜなら、1社に勤め続けている=キャリアを形成するにあたり人事異動しか選択肢として取ってこなかったということだからだ。

異動は社命であり、コントロールできない。一方で転職は自分で「する・しない」の判断ができる。主体的に自分のキャリア形成を考えている人は、これまで転職している可能性が高いということになる。

社会人3年目の転職について考える

冒頭で記載している通り、社会人3年目は「第二新卒」として扱われる。中途採用ではあるが、通常の中途採用とは異なるマーケット内で戦うこととなる。ここでは改めて第二新卒とはなにか、社会人3年目で転職するメリットについて解説していきたい。

ここでは下記の2ポイントに分けて解説を行う。

  • 中途採用と第二新卒の違いは?
  • 社会人3年目で転職するメリット・デメリット

中途採用と第二新卒の違いは?

大前提として、「新卒採用」に該当しない採用はすべて「中途採用」となる。中途採用は欠員の穴埋めや、新規事業立ち上げなどで人材が必要である時、また事業で専門的な知識・技術を持つ人が必要となったときに行われる。つまり必要とされる理由が明確で、即戦力となる人が求められている。

一方で「第二新卒」も中途採用の一つだが、在職期間が短いため十分なスキルや実績を身に付けるに至っていないことが考慮される。そのため、第二新卒は、新卒採用に近いイメージで「若い人材を育てていく」意味合いが強い状態で採用される。

もちろん、少なからず社会人として働いた経験はあるので、基本的なビジネスマナーやモラルを身に付けている、という点は多くの企業が期待される。ただ、一般中途採用を行うのはスキルや実績をすぐに仕事に反映してもらえる即戦力人材を確保するためであり、その企業に即した人材を育成しようという第二新卒採用とは趣旨が異なるのだ。

社会人3年目で転職するメリット・デメリット

それでは、社会人3年目で転職するメリット、デメリットとはなんであろうか。改めてそれぞれについて整理をしたい。

メリット

異業界、未経験職種に挑戦できる

第二新卒での採用となることで、異業界や未経験職種でも応募することが可能となる。通常の一般中途採用では、即戦力が求められるため募集されている職種について、どれだけの経験があるかが重視される。わかりやすく言うと、ずっと営業一筋の人間が企画職に応募することはほぼ不可能なのである。

実際に求人の条件を見ると、「新規事業を立ち上げた経験があること」「〇〇年の実務経験があること」といった条件の記載が見受けられる。

一方で第二新卒であれば、ポテンシャルで採用されるため十分に未経験職種にも応募できる。君のやりたいことに手を挙げることができるのだ。

人気企業に入社できる可能性がある

第二新卒の採用は多くの企業が行っており、人気企業でも入社のチャンスがある。新卒至上主義といわれているP&Gでさえ、第二新卒層の採用を比較的多く行っており、入社の可能性は十分にある。マッキンゼー等も第二新卒で転職してくる人は多いし、アクセンチュアやリクルートといった人気企業も採用枠が存在する。

君が就職活動時代に入りたくても入れなかった企業に入社できる可能性があるかもしれない。君が正しい努力を積んでいれば、入社時より実務経験を積んだ君の市場価値は高い。もう一度夢にチャレンジしてみるのはどうだろうか。

デメリット

転職活動には時間がかかる

転職活動を本格的に始めようと思うと、本業の仕事をしながらの活動となる。社会人3年目は目先の仕事だけでも忙しい時期なので、自分で時間を作り出し、転職活動を行うことは大変だ。

また、同期との飲み会といった遊びの時間も削ることになる。貴重な20代の時間の使い方だ。中途半端な気持ちで転職活動を行うと、単なる時間の無駄になりかねない。

給与が下がる可能性

第二新卒では、「新卒」として扱われる可能性が高い。そのため、君が入社後すでに昇給しているならば、一時的に給料が下がることも想定される。

入社した後のアンマッチを防ぐためにも、何歳時点で上回ることができるかなど労働条件についての情報収集を行うべきだろう。

転職活動を成功させるためにすべきこと

「転職活動を始めようと思ったが、まず何を始めたらいいかわからない」そんな疑問に答えていきたい。

転職における成功とは?

転職における成功とは、今より有名の企業に入ることや今より年収を上げることではない。君が実現したいことを実現できたかどうかである。

例えば、趣味に時間を割きたいと考え、ライフワークバランスの改善を行いたいと考えていたとする。その転職希望者が、今よりも給与は高いが労働時間が長くなる企業に転職したらどうなるだろうか。答えは明確だ。数年後また同じ理由で転職活動をしているだろう。

今回の転職で何を実現したいのか。何を手に入れたいのか。転職を成功させるためにはその転職の軸を考えることが大切である。

逆に転職の軸を固めないまま転職活動を行うと、どの業界・どの企業に応募すれば良いかわからない。また、仮にその環境下で内定をもらっても、転職すべきかどうかについてまた迷うことになるのである。

転職の軸の固め方

転職の軸を固めるためには必要な3ステップが存在する。その3ステップとは下記の通りだ。

  • 理想の将来をイメージする
  • 理想の将来を実現するためのギャップを明確にする
  • ギャップを埋めるための最優先事項を明確にする

それぞれについて解説していく。

理想の将来をイメージする

まず10年後、20年後、30年後に自分がどうなっていたいか、どんな生活を送っていたいのかを考えてみる。ここでは、世間一般常識は気にせずともかく自分の思うままに書いてみる。

「家族皆で仲良く幸せにくらしたい」でもよし「ポルシェのカイエンに乗って六本木をドライブしたい」でもよし「海の近くで自由気ままに過ごしたい」でもいい。ともかく自分のやりたいことをありのままに書き出してみよう。

理想の将来を実現するためのギャップを明確にする

理想の将来がある程度イメージできたら、現状とのギャップについて考える。今の職場で働きつづけることで、理想の将来に繋げることができるかを考えてみる。仮に今の職場で働き続けることで、理想の将来に繋がるのであれば転職をしないことが正解だ。今の仕事にフルコミットして努力をすべきである。

一方で今の職場で働き続けても理想の将来を掴み取れないのであれば、どこにギャップがあるのかを明確にする。ここでは特に、時間・お金・健康(心身)について分けて考えると整理がしやすい。

ギャップを埋めるための最優先事項を明確にする

自分の理想の将来を実現するための現状のギャップが理解できたら、次はどの点を最優先に改善すれば良いかを考える。転職で改善できる要素は数えきれないほどある。

給料、ライフワークバランス、勤務地、業界・職種、会社の規模、役職など様々な要素の中で、何を最優先で変えたいのか、勝ち取りたいのかを明確にする。また、これと同時に何を捨てられるのかを明確にしておくことが大切だ。

ここで優先事項を明確にする理由は、転職活動において全てを手に入れられる転職はないためである。労働時間も短く、給与も少なく、勤務地も希望とおりという企業は存在しない。あれば、転職エージェントを使用せずとも、社員を十分に集められる。転職活動の軸を決めることは、何を手に入れたいかと同時に何を捨てられるかまで決めることだということを頭に置いてほしい。

転職エージェントをうまく利用する

ここまで整理した後、いよいよ転職エージェントに登録し情報を収集することになる。転職活動を始める際には、転職サイトと転職エージェントと2つ存在することに気づくだろう。例を挙げると、リクナビNEXTとリクナビエージェントの違いである。

転職サイトと転職エージェントの違いは?

ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。

  • 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
  • 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる

転職エージェント利用の際に気をつけること

転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。

また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。

転職エージェントをうまく利用する

上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。

まずは第二新卒でどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。

まとめ

色々と話をしてきたが、僕が考える結論は、入社3年目で一度転職活動をしておくべきだ。転職をする、しないはどちらでもいい。大切なのは、外の世界や仮に今の企業を辞めた際にどのような業界なら生きていくことができるのかを把握するだけで、仕事に対する価値観が変わる。

入社3年目にもなると「嫌だったら辞めてやる」くらいの根性がないと、社内交渉や社外交渉でパフォーマンスを発揮できないレベルのタフな案件が出てくる。その際に、今の会社にしがみつくしか選択肢のない人間は弱い。圧倒的に弱い。ぜひ、問題意識を持ったこのタイミングで行動に移してみてほしい。

君の成功を心から祈っている。

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