転職面接の前に準備しておくべき6つのこと

テクニック

こんにちは。シャチホコです。

転職活動を始め、一生懸命作成した職務経歴書やエントリーシートが通過したら、次はいよいよ面接となる。

面接当日を迎える前に、大前提として君に伝えておきたいのが、就職活動と転職活動には、差があるということである。一般的に転職活動の方が、書類の通過率や内定の獲得率も低くなる。理由は明白で、採用する数が非常に限られているからだ。実際に求人票を見てみるとわかるが、採用人数は数名であることが多い。

また、新卒とは違い企業は無理に採用をする必要はない。そのポストを埋められる適当な人材が出てきたタイミングで採用を行うというケースが多いのだ。この様に、就職活動と転職活動においては前提が異なる。つまり、攻略方法にも差があると考えておいた方が良いのだ。

しかし、裏を返せば転職活動攻略に向けた準備をきちんとすれば、周りの応募者と差をつけることが可能となる。当然、面接にも攻略法がある。ここでは、面接で最低限準備しておくべき5つのことを解説していく。

前提:面接は90%以上同じことを聞かれる

結論から言う。面接では応募企業が変われど、90%以上は同じことを聞かれると思っていい。なぜなら、採用担当は年間で何十人、多い場合は何百人という面接を実施するため、オリジナリティ溢れる質問を都度作ることは困難なのだ。そして、90%以上聞かれる同じことは下記に集約される。

  1. 自己紹介
  2. 現在の職務内容
  3. 転職理由
  4. 志望動機
  5. 自己PR
  6. 逆質問

以上である。この6つの質問については、当日何を話すかを事前に整理しておこう。当日は、君が想像する何倍も緊張する。最初の質問が上手く答えられなければ頭が真っ白になる。そうすると、自分が何を話しているのかも分からなくなる。当然、言葉に熱がこもらなくなってしまうのだ。

逆を言うと、この6つの質問に対する答えを準備しておけば、面接が大崩れすることはない。大抵の場合、自己紹介が終わった段階では波に乗り、スムーズに面接を進めることができるだろう。それぞれについて簡単に解説していく。

質問1:自己紹介

結論から言う。1分ほどの簡単な自己紹介を準備しておけ。面接当日は想像以上に緊張するが、最初の自己紹介がうまく決まれば、そのあとは流れに乗れる。場の雰囲気に慣れ、自己紹介以降は君が準備してきたことを遺憾無く発揮してほしい。

入室し着席すると、面接官から「まず初めに自己紹介を簡潔にお願いします」と言われる。ここでのポイントは1分間を目安に自己紹介をすることである。面接官から「簡潔に」と言われているのに、ダラダラと自己紹介をすれば、面接官から「コミュニケーション能力が低いやつだ」とレッテルを貼られてしまう。面接といえど、基本はコミュニケーションだ。相手がダラダラと話しているのを聞いて、君は気持ちいいだろうか。むしろ、鬱陶しいと思わないか?

しかし、1分間で自己紹介をするのはやってみるとわかるが、意外と難しい。1分くらいと思って話しても短過ぎたり、長過ぎたりする。僕はこの1分間自己紹介を何度も練習した。その結果、以下のテンプレが最適ということに落ち着いた。

「初めまして、(名前)と申します。本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございます。私は、現在(会社名)という会社で、(部署名)という部署に所属をしております。現在の担当業務は(業務内容)ということを主に担当しておりまして、(業務概要)ということを行っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

書いてみると、非常にシンプルで味気ない印象を受けるかもしれないが、レベルとしてはこれくらいで十分である。話す内容を暗記したら、話すスピードを工夫し1分間で終わる様に工夫してほしい。

質問2:現在の職務内容

自己紹介が終わると、次に「現在の職務内容について簡単に説明してください」と言われる。ここで面接官が求めているのは、「応募条件にマッチした職務経験を積んできているか」の確認である。そのため、君が入社してから現在まで何をしてきたかの歴史を事細かく話す必要はない。面接官はそんなものに興味がないためである。相手に響きそうなエピソードや職務内容にフォーカスをして話そう。

現在の職務内容については、どの様な実績をあげたのか。また、その実績をあげるために自分なりにどの様な工夫をしたのかを伝えられると良いだろう。エピソードを伝える際には、STARに分けて説明すると相手に伝わりやすいため、フレームワークとして覚えておいてほしい。

STARとは英単語を頭文字を取ったものだ。

  1. S:Situation (状況、前提)
  2. T:Task (課題)
  3. A:Action (行動)
  4. R:Result (結果)

もう少し具体的に説明すると、下記の様になる。

  1. S:どのような状況において
  2. T:どんな課題を見つけ
  3. A:どんな行動をとり
  4. R:どのような結果になったのか

上記の4ステップに無理矢理にでもいいから当てはめる様にしてほしい。なぜなら、この4ステップで語れない場合は、状況が自分の中できちんと整理できていなかったり、上司から命令されたことをただ実行しただけであるケースが多いからだ。そのため、このフレームワークに当てはめられるかどうかで、職務経歴のエピソードに採用すべきか否かを判断できるのである。

質問3:転職理由

転職理由は、言い換えると転職の軸とも言える。転職理由は、簡単に言うとなぜ転職をしようと思ったのかということだ。ここで大切なのは、君の転職の軸(転職を通じて何を得たいと考えているのか)を相手に伝えることだ。それは、給料とか労働時間に対する不満ではなく、ポジティブな理由であってほしい。

例えば、君が広告代理店からメーカーに転職したいとしよう。この時の転職の軸は、「質の高い商品を持っている企業に転職したい」とする。この転職の軸を自分なりのオリジナルエピソードを交えながら語ってほしい。

例えば、広告代理店では質の高い商品でも低い商品でもユーザに購買してもらえる様に、良い商品である様に見せることが仕事だ。一方で、広告だけで解決できる課題には限りがある。商品企画、PR、広告、営業を横断的にプロデュースできる存在になりたいと思った。そのためには、質の高い商品が必要であると考えた。

この様に、自分自身の経験やこれまでのエピソードからオリジナルの転職理由を作ることが大切だ。なぜなら、テンプレ的な理由では志望企業に対する思いや熱意が伝わらないからだ。

質問4:志望動機

転職理由に関する質問が終わると、次に「志望動機」を聞かれる。なぜなら、数ある選択肢の中からなぜ応募先を選択したのかを面接官は知りたいからだ。ここで面接官が求めているのは、「採用した場合に長く働き続けてくれるのか」の確認である。

なぜなら企業は転職活動に対して、膨大なコストを支払っている。転職サイトへの求人情報の掲載、転職エージェントへの成果報酬、独自の採用サイトの作成等でかかるコストは膨大なものなのだ。また、採用した後も研修費用等で人材育成にコストが発生する。人を1人雇うということは、単に給料分の人件費が増えることではないのだ。

そんな膨大なコストを払い採用し、教育した人間がすぐに退職してしまうのは、企業にとって純粋に痛い。それを防ぐために、企業は志望動機で君の企業への愛を測るのだ。つまり、「この人は長くうちの企業で働いてくれるのか」を確認するのだ。

ここでのポイントは、どんな些細なことでもいいからオリジナルのエピソードを絡めて、志望動機を語ることだ。よくあるのが、「売上が拡大しているから」「企業理念に共感したから」などといった企業説明だ。企業説明では、当然熱意が伝わらない。「どうしても御社じゃなきゃダメなんです」と熱を持っていえる様に、オリジナルのエピソードを交えて納得感を演出しよう。

刺さる志望動機の書き方については、下記の記事で詳しく解説しているため参考にしてほしい。

質問5:自己PR

結論から言う。自己PRの目的は、「応募先の企業が求める人材像と君がマッチングすることを証明するもの」である。間違えて欲しくないのは、君がハイスペックであることを証明するためのものではない。この部分を混同している人は非常に多い。

極端な例を言う。企業がデータ分析を主としたマーケターを募集していたとする。そこに、「入社から3年間、社内の営業でトップを走り続けました。営業力には自信があります。」と自己PRをしたとしよう。面接官からすれば「は?」である。なぜなら、求めている人材像と全くマッチしていないからである。

ここで例えば、「入社から3年間、社内の営業でトップを走り続けました。データ分析の経験はありませんが、営業的観点から販売につながるデータや、KPIの策定には自信があります。」と言う様な表現だったらどうだろう。印象が変わらないだろうか。

僕は、面接の練習を依頼されることが多いが、自己PR=自分がハイスペックであることを証明することだと勘違いしている人が非常に多い。それはつまり、この時点で企業からアンマッチだと判定されている人が多いということなのである。

企業がどんな人材を求めているのか、どんな応募条件を出しているのかをチェックして、君の過去の職務経歴の中から刺さりそうなエピソードを厳選し、その再現性をアピールしてほしい。この再現性が実はとても重要だ。これまでの経歴を踏まえて、入社した後にどの様に応募先に貢献できるのかを具体的に話してほしいのだ。そうすることでグッと締まった自己PRが完成する。

刺さる自己PRの書き方については、下記の記事で詳しく解説しているため参考にしてほしい。

質問6:逆質問

大抵、面接の最後に「逆にあなたから質問はありますか?」と聞かれる。この時に「特にありません」と答えるのは、もったいない。限られた時間の中で最大限応募先への愛を伝えるためには、この時間も有効に活用してほしいのだ。

この時におすすめのテクニックが、面接官が話した言葉を拾って質問するということである。例えば、面接官がサービス企画の部署の人間であれば、「〇〇さんは、先ほどサービス企画の部長さんだと仰っていましたが、私もサービス企画の業務には大変興味があり、どの様なスキルやマインドを持った方が活躍されているのでしょうか」という様に質問をする。

面接官が話した言葉を拾って質問をすると、面接官は「自分に興味が持ってもらえた」と思い、気持ちよく色々と話をしてくれることがある。これは日頃のコミュニケーションでも同じだと思うが、いかに相手に気持ちよく話をしてもらうのかということを念頭に置いておくと良い面接にできるだろう。

ただし、上記は実際にやってみると分かるが結構難しい。そのため、「御社のサービスや商品は〇〇の様な部分で他社比較で優位性が図れていると思うのですが、合ってますでしょうか」といった様な質問もいい。自分なりに仮説を立て、分析してきたということがアピールできるからだ。当日は緊張の連続で何が起こるかわからないので、事前に一つは質問を持って挑む様にしよう。

予想外の質問が来た時の対応方法

面接官によっては、突拍子もない質問をしてくるケースがある。そんな時に注意したいのは、その場凌ぎで適当な答えを返すことである。質問の意図が分からなければ、「質問いただいているのは、〇〇ということでしょうか?」と言う様に、ちゃんと聞き返せばいい。また、想定外の質問については「想定外の質問なので、少し考えを整理する時間をいただいてもよろしいでしょうか」といった様に間を置いてもいいだろう。

突拍子もない質問が来た場合は、面接官も難しい質問をしたと理解している。だから、焦ることはない。間を置いて、考えを整理した上で回答をする様に心がけよう。

本番を想定した面接練習をしよう

面接本番に臨む前には、必ず面接練習をしてほしい。

転職活動は新卒の就職活動とは異なり、本番の面接をこなす数が非常に少ない。故に、場慣れできていない状態で面接当日を迎えることになる。これは、新卒の就職活動と比較し、そもそも面接まで辿りつく絶対数が少ないため起こることである。そのため、絶対に本番を想定した面接の練習をしてほしい。

具体的には、家で椅子に座り、鏡の前で自分の表情を見ながら面接をしたり、自分が話す様子をスマホで撮影し見直すと良い。声のボリュームや表情、ジェスチャーなどの様子が自分の頭の中のイメージと異なることに気づく。また、自分の話す際のクセにも気付くことになる。僕の場合で言えば、間ができると「えー」と入れてしまう。当日にこういったクセが出て、面接官にその部分が気になられると最悪だ。もう君が話している内容が面接官の中に入っていかなくなってしまうのだ。

可能であれば、転職エージェントを相手に本番前に練習を行うと良い。転職エージェントは、その企業の質問の傾向や、どの様な回答が響くのかを過去の経験から理解している。君が話す内容に「この様な言い回しにすべきだ」というアドバイスをくれるだろう。逆を言うと、ここの情報を仕入れておかないのはとても勿体ないことなのだ。

転職エージェントをうまく活用する

自分なりに面接に向けた準備をすることができたら、次のステップとして転職エージェントに面接練習うをしてもらうと良い。

本番前に転職エージェントを相手に何度か練習を行おう。転職エージェントは、その企業の質問の傾向や、どの様な回答が響くのかを過去の経験から理解している。君が話す内容に「この様な言い回しにすべきだ」というアドバイスをくれるだろう。逆を言うと、ここの情報を仕入れておかないのはとても勿体ないことなのだ。

転職エージェントはぜひうまく活用してほしい。ここでは、まだ転職エージェントに登録が完了していない人向けに転職エージェントとは何かについて解説していく。

転職サイトと転職エージェントの違いは?

ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。

  • 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
  • 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる

転職エージェント利用の際に気をつけること

転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。

また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。

転職エージェントをうまく利用する

上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。

まずは第二新卒でどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。

まとめ

転職の面接について色々と述べたが、面接当日は職務経歴書やエントリーシートに記載した内容がベースとなる。だから、職務経歴書やエントリーシートに書いた内容はどんな質問が来てもいい様に徹底的に深掘りしておこう。これをやっておけば、怖いものはない。

面接は準備が大切だ。当日何を話すのか、またどの様に話すのか。この準備を徹底的にやってほしい。書類通過し、面接までいけたと言うことは、君のこれまでの職務経歴や志望動機が少なからず応募先の採用担当者の心を揺さぶったということだ。そして、それはこれまで君が努力してきた証拠でもある。ここで気を緩めず、最後の瞬間まで準備を怠らず、内定を獲得してほしい。

君の成功を心から祈っている。

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