社会人3年目で会社を辞めたいと思ったら

キャリア

こんにちは。シャチホコです。

社会人3年目を迎えると、仕事にも慣れ、環境にも慣れ、新入社員の時には見えなかったものが見えてくるだろう。また、早い人は初めての異動を経験しているかもしれない。そんな環境の変化の中で、「会社を辞めたい」と思ってしまうのもこの時期の特徴である。

本当に会社を辞めるとなれば、様々な戦略と計画が必要となる。仕事は部活や習い事とは違う。君が今後も生きていくには、お金を稼ぐ必要がある。つまり、自分で起業しない限りは転職し、会社に勤め続けなければならない。

感情的になり、勢いで仕事を辞めてはいけない。なぜなら今後の君の人生に響くからだ。「会社を辞めたい」と感じた時に、まずは自分の状況を客観視してほしい。その上で、転職活動をすべきか今の会社に残るかを判断してほしい。

会社を辞めることは甘えか?

結論から言う。会社を辞めることは、決して甘えではない。人生100年時代と言われる現代において、苦痛を感じながら働き続けることは、君にとってのメリットは何もない。また、そんな状況下で働き続けても残酷なことに会社は君のことを守ってくれる訳ではない。日本の名だたる大企業の人事制度がジョブ型雇用に切り替えが進んでいたり、大規模リストラが起きていることを考えると、日本の終身雇用はすでに崩壊しているのだ。

正しくリスクを理解し、冷静な判断を下す

一方で、今の会社を辞めることにも少なからずリスクはある。僕が君に伝えたいのは、感情的になって仕事を辞めないでほしいということである。冷静に自分自身の状況を客観視し、今の会社を辞めるリスクを理解した上で判断を下してほしいのだ。

会社を辞めたいと思っている人は、感情的である場合が多い。特に「怒り、恐怖、焦り」といった感情に流されてはならない。「怒り、恐怖、焦り」といった感情は、自分の判断能力を鈍らせるからである。そんな冷静ではない状況下で人生を左右する大きな決断を下すことはリスクである。

仕事を辞める前にチェックすべきこと

では、今の会社を辞めるか・留まるのかを判断するためにチェックすべきポイントはなんであろうか。「会社を辞めたい」と思う理由は、大きくは下記の4点に集約される。

  • パワハラを受けている
  • やりがいがない
  • 給料が低い
  • ワークライフバランス

それぞれの問題については、今すぐ会社を辞めるべきレベルと、今の会社に留まるべきレベルとが存在する。それぞれの基準について見ていこう

パワハラを受けている

結論から言う。君の上司(個人)が起因してパワハラが起きているか、会社全体がパワハラ文化なのかによって判断してほしい。会社全体はパワハラ文化ではないが、君がたまたまパワハラ上司に当たってしまった場合、まだ会社を辞めるべきではない。なぜなら、辞めるべきは君ではなくその上司だからだ。

一方で会社全体がパワハラ文化に染まっている場合は、すぐに今の会社を辞めるべきだ。パワハラが暗黙の了解になっていたり、パワハラ上司が出世していたり、「パワハラは仕方ないよね」という文化が蔓延しているような会社に残る必要はない。なぜなら君も今後出世するには同じように他人を傷つけなくてはならないからだ。

パワハラ上司を辞めさせるには

結論から言う。パワハラ上司を降格・退職に追い込むのはかなり難しい。一方で異動させることは比較的簡単に可能だ。

人事に通報する

パワハラを受けた証拠を人事部に提出する。音声の録音、メール、電話の着信履歴等々、ともかく記録できるものを集めておけ。その上で、そのエビデンスを人事部に直接提出する。ここで多いのが上司の上の上長に相談したり、先輩に相談するケースだ。

「そんな判断はするな」

君の上司の上長は、本来君の上司を管理すべきでそれが出来ていないから今の環境があるのだ。先輩社員もどこで誰と繋がっているかわからない。どこから情報が漏洩するかわからないのである。勇気を持って直接人事部に放り込んでほしい。

労働組合に通報する

君の会社に労働組合はあるなら、労働組合にも並行して通報すると尚効果的だ。労働組合の存在意義は「社員が働きやすい環境を整備すること」である。多くの場合、ハラスメントの改善については、社会的な問題になっている背景から温度感高く取り組んでいる可能性が高い。

君は毎月の給料から労働組合費をいくら払っているか知っているか。ぜひ給与明細を見てほしい。そして、入社してから今日まで総額でいくら払ったのかを計算してほしい。今こそ労働組合を動かす時なのだ。

実例の紹介

僕の実体験においても、人事部に通報され異動となった上司と、労働組合に通報され異動になった上司をみている。あくまで僕の会社においては、両方の場合において、いまのオフィスからその上司はいなくなった。

そこの部署の人間は心から喜んでいたし、労働環境が改善されたことで人生の満足度も上がっていた。ちなみに誰が通報したのかは、分かってない。正しい方法で通報すれば、環境は変わることを目の当たりにした経験だった。

やりがいがない

結論から言う。転職することで確実にやりたい仕事ができるという保証があるのであれば、転職すべきだ。一方でその保証がないのであれば、今いる会社で実現する方法がないか模索してみるのが良いだろう。

ここで言いたいのは、「転職先が君が求めている仕事を準備して待っているかはわからない」ということである。当然、転職先では君の経験やスキルに応じて業務をアサインする。転職した結果、自分がやりたいことが必ずできるのかを確認した上で転職をした方が良いだろう。

そうでないと、転職した先でもまたやりがいを感じられないままとなり、今の悩みが解決されることはないからである。

社内の異動制度を調べる

今の会社の異動制度を理解しているだろうか。多くの場合、ジョブローテーション制度やいきたい部署への立候補制度が存在するはずだ。その多くが若い世代には有利な設計となっているため、まずはその制度を利用して君のやりたいことができる部署に異動が可能かを判断してみよう。

社内イントラの人事部のページに記載されていることが多いので一度チェックしてみてほしい。

給料が低い

結論から言う。今の業界とは全く別の業界に飛び込む覚悟があるかどうかで判断すべきだ。なぜなら、その会社の給与はその業界の収益構造によって決まっているからだ。

例えば、一般的に言うとインフラ業界と飲食業界の給料ではインフラ業界の給与の方が業界全体で高いとされている。それは、インフラ業界と飲食業界では参入障壁が異なるからだ。例を出して言う。君が5年後にカフェを開業しているのと、NTTのように固定通信を提供しているとしたら、どちらが現実的だろうか。答えは明確だろう。

前提として、給料の高い業界というのは収益構造上、利益が取りやすい仕組みになっているケースが多いのだ。君がもし給料を上げるために、全く違う業界にチャレンジする覚悟があるならば、転職すべきだ。

参入障壁が高い業界とは

参入障壁が高い業界とは、企業がその業界に入り新しく事業を開始しようと思っても難しくて参入できない業界である。多くの場合、法律でその業界を取締っているケースが見受けられる。参入障壁が高いことで、競合他社が生まれにくく、無駄な値下げをしなくていいため、利益が取りやすい構造になっているのだ。

参入障壁が高い業界の代表例としては、下記があげられる。

  • 化学業界
  • インフラ業界
  • 大学業界

いずれもホワイト業界として有名だろう。

ワークライフバランス

結論から言う。健康被害に及ぶレベルに残業させられているのであれば、今すぐ転職すべきだ。なぜなら、健康被害は怪我とは異なり、後遺症が存在するからである。一度うつ病になると、完全復活するまでにかなりの時間がかかることになる。また、君自身の経歴にも傷がつくことになるからだ。

現代は人生100年時代と言われている。君たちも少なくともあと40年は働く計算になる。若いうちに健康被害で身体を壊してしまった際の損失は計りしれないのだ。

若いというのは財産だ。人はいくらお金を払っても、時間を買うことはできない。数年後になって気づくだろうが、君には今だからこそ経験できることや体験できることが沢山ある。その貴重な時間を棒に振ってしまうことは、君の人生を棒に振ることになるからなのだ。

一方で労働時間は長いが、健康被害に及んでいない場合、今の仕事を続けていて得られるスキルや経験があるのなら、続けてもいいだろう。

すでに健康被害に及んでいる場合の対処法

長時間労働が与える身体への影響は君が想像している以上に恐ろしい。僕も繁忙期に毎日9:00-1:00で仕事をしていた時期がある。月の残業時間は80時間ほどだった。案件もハイプレッシャーな案件であったため、取り憑かれたように仕事をしていた。食事、睡眠もままならなかった。

そんな生活を続けていたある日のことである。PCのキーボードを叩く手が震えたり、瞼がピクピクと痙攣を起こし始めたのだ。そんな自分に気づいた時に、人生で初めて「会社に潰される」と今まで感じたことのないほどの恐怖を感じた。

そこから何人か自分の信頼できる人に相談し、なんとかうつ病までにはならずに済んだが、信頼できる人たちの助言がなければ今の自分はないだろう。その時に自分が具体的に行った行動を参考までに記載する。

産業カウンセラー、産業医に相談する

僕の勤める企業には、産業カウンセラーがいたため、まずは産業カウンセラーとアポを取り、現状をありのままに伝えた。そうすると、すぐに「産業医との面談」へ案内された。そして、産業医と話をした。基本的に産業医は現状をもとに、専門家的な観点から解決策を提案してくれる。

産業医に相談しようと考えた理由は一つ。上司に業務量を減らしてもらうための交渉材料とするためだ。「残業が多いから、産業医と話した。眠れない等の症状を話したら、上司に相談して業務量を調整してもらえと言われた。」と上司に伝えるためだ。

上司に「きついから業務量を減らしてくれ」と直接的に頼むのは、とても勇気がいる。自分のキャリアに響くのではないかという不安もある。しかし、「産業医から言われた」と言えば、上司は動かざるを得ない。なぜなら、そのアラートを聞いて行動に移さないのはマネジメントに問題があると判断されるためである。僕はその面談後に上司と話し、業務量を減らしてもらった。

規則正しい生活をする

健康被害の症状が出始めている場合の多くは、食事・睡眠を規則正しく取れていない場合が多い。僕も当時は打ち合わせが立て続けにあり、食事を取る暇もなく、1日1食だった。睡眠も眠れない日が続き、夢の中で毎日仕事をしていた。

まずは、3食取ること。○時までに業務を終えると決め、睡眠時間を確保すること。ここを整備することから始めてほしい。特に睡眠については、正しく睡眠が取れなければ仕事のパフォーマンスも落ち、さらに業務処理に時間がかかることになり、悪循環になってしまう。

運動する

良質な睡眠を取るためには、日光を浴びて体内時計をリセットすることと身体に疲労を溜めることが大切である。脳と身体と両方疲れさせることで、良質な睡眠に繋がるのだ。

また、運動がもたらすメリットは大きい。筋トレの際に分泌されるテストステロンというホルモンを始め、人をポジティブな気持ちにさせる効果がある。僕は、毎日ランニングと筋トレの時間を可能な限り取るようにし、健康状態がかなり改善された。

個人的にはジムに入会し、筋トレすることがおすすめだが、筋トレを継続することはなかなかハードルが高い。習慣化するまでは、ジムにいくことだけで合格点とし、低いハードルで筋トレの習慣をつけるようにしよう。

転職エージェントをうまく利用する

ここまで整理した後、いよいよ転職エージェントに登録し情報を収集することになる。転職活動を始める際には、転職サイトと転職エージェントと2つ存在することに気づくだろう。

転職サイトと転職エージェントの違いは?

ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。

  • 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
  • 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる

転職エージェント利用の際に気をつけること

転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。

また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。

転職エージェントをうまく利用する

上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。

まずは第二新卒でどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。

まとめ

入社3年目という時期は本当に多感な時期である。社会人生活にも慣れ、今後のキャリアについて考え始める時期である。「会社を辞めたい」と思う人は多いだろう。社会人なら皆が通る道だ。ただそこで、行動に移す人間は本当に少ない。ほとんどの人が、不満を呑み込み、死んだ魚の目をしながら仕事をしている。

まずは、自分がなぜ「会社を辞めたいのか」をありのままに書き出してみてほしい。そして、いまの環境に留まるべきか転職すべきかを判断してほしい。ポイントは感情に流されないことだ。客観的に今の状況を分析した上で、転職すれば状況を変えられるのかを判断してほしいのだ。

一方で健康被害に及んでいる場合は、すぐに行動に移してほしい。自分のことを守れるのは自分だけだ。会社は君を守ってはくれない。残酷なことを言うが、君がいなくても会社は経営し続けることができる。一方で、君が潰されてしまうと家族や友人は、本当に悲しむことになるのだ。君の大切な人を悲しませてはいけない。自分を大切にしてほしい。

君の成功を心から祈っている。

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