社会人3年目 第二新卒での転職活動の始め方

考え方

こんにちは。シャチホコです。

社会人3年目になり「第二新卒での転職活動を始めたいが何からしていいか分からない」という悩みを幾度となく聞いてきた。転職活動は就職活動と違い、経験者が限られている。3年目の君の周りには、より一層転職を経験している人間は少ないだろう。

ここでは、第二新卒での転職活動の始め方について解説をしていきたい。転職活動を始める際の大切なポイントは、「転職活動の全体感」を掴むことである。転職活動は、どんなステップで進み、それぞれのステップにどれくらいの時間がかかるのか。それを把握することから始めてほしい。

なぜなら、人は「いつまで」に「何をすべきか」が決まっていないと、具体的な行動をすることができないからだ。これは通常の業務においても言える。よくto doリストを作成している人は見かけるが、納期やスケジュールまで定められている人は少ない。そういう人間は決まって、タスクを予定通りに遂行することができない。納期が未定であるため、当然だ。だからこそ、転職活動の成功においては、「いつまで」に「何をすべきか」が重要になるのだ。

転職活動の進め方

第二新卒の転職活動においては、下記のステップが大まかな転職活動の進め方となる。すでにご存知の通り、第二新卒のブランドの時間は有限である。応募条件を見るとわかるが、入社○年次までと明確に定義されている場合が多い。そのため、通常の転職活動よりも一層スケジュール管理が大切になる。

転職活動の大まかなステップは下記8つに大別される。

  1. 転職の軸を決める
  2. 転職活動のスケジュールを立てる
  3. 自己分析をする
  4. 業界・企業の情報収集をする
  5. 必要書類作成し、応募する
  6. 面接での選考を受ける
  7. 内定をもらう
  8. 退職手続きをする

それぞれのステップについて解説していこう。

転職における成功とは

まず、転職における成功とは、今より有名の企業に入ることや今より年収を上げることではない。君が実現したいことを実現できたかどうかである。

例えば、趣味に時間を割きたいと考え、ライフワークバランスの改善を行いたいと考えていたとする。その転職希望者が、今よりも給与は高いが労働時間が長くなる企業に転職したらどうなるだろうか。答えは明確だ。数年後また同じ理由で転職活動をしているだろう。

今回の転職で何を実現したいのか。何を手に入れたいのか。転職を成功させるためにはその転職の軸を考えることが大切である。

逆に転職の軸を固めないまま転職活動を行うと、どの業界・どの企業に応募すれば良いかわからない。また、仮にその環境下で内定をもらっても、転職すべきかどうかについてまた迷うことになるのである。

1.転職の軸を決める

転職の軸を固めるためには必要な3ステップが存在する。その3ステップとは下記の通りだ。

  • 理想の将来をイメージする
  • 理想の将来を実現するためのギャップを明確にする
  • ギャップを埋めるための最優先事項を明確にする

それぞれについて解説していく。

理想の将来をイメージする

まず10年後、20年後、30年後に自分がどうなっていたいか、どんな生活を送っていたいのかを考えてみる。ここでは、世間一般常識は気にせずともかく自分の思うままに書いてみる。

「家族皆で仲良く幸せにくらしたい」でもよし「ポルシェのカイエンに乗って六本木をドライブしたい」でもよし「海の近くで自由気ままに過ごしたい」でもいい。ともかく自分のやりたいことをありのままに書き出してみよう。

理想の将来を実現するためのギャップを明確にする

理想の将来がある程度イメージできたら、現状とのギャップについて考える。今の職場で働きつづけることで、理想の将来に繋げることができるかを考えてみる。仮に今の職場で働き続けることで、理想の将来に繋がるのであれば転職をしないことが正解だ。今の仕事にフルコミットして努力をすべきである。

一方で今の職場で働き続けても理想の将来を掴み取れないのであれば、どこにギャップがあるのかを明確にする。ここでは特に、時間・お金・健康(心身)について分けて考えると整理がしやすい。

ギャップを埋めるための最優先事項を明確にする

自分の理想の将来を実現するための現状のギャップが理解できたら、次はどの点を最優先に改善すれば良いかを考える。転職で改善できる要素は数えきれないほどある。

給料、ライフワークバランス、勤務地、業界・職種、会社の規模、役職など様々な要素の中で、何を最優先で変えたいのか、勝ち取りたいのかを明確にする。また、これと同時に何を捨てられるのかを明確にしておくことが大切だ。

ここで優先事項を明確にする理由は、転職活動において全てを手に入れられる転職はないためである。労働時間も短く、給与も少なく、勤務地も希望とおりという企業は存在しない。あれば、転職エージェントを使用せずとも、社員を十分に集められる。転職活動の軸を決めることは、何を手に入れたいかと同時に何を捨てられるかまで決めることだということを頭に置いてほしい。

2.転職活動のスケジュールを立てる

転職活動は大体どれくらいの期間がかかるものなのだろうか。大手の転職サイトを見ると「早い人は3ヶ月で転職した」というような記載をよく見るが、僕の経験上これは早すぎる。内定をもらい、退職の手続きを考えると6ヶ月〜12ヶ月の時間は見ておいた方がいい。

転職活動は、就職活動と違い企業や業界によって募集時期が異なる。そのため、想定より時間がかかってしまうことも多くある。余裕を持ったスケジュールを組むことが大切になる。

ステップごとにかかる時間の目安

先ほど紹介した8つのステップにおける期間の目安を話したい。

  1. 転職の軸を決める
  2. 転職活動のスケジュールを立てる
  3. 自己分析をする
  4. 業界・企業の情報収集をする
  5. 必要書類作成し、応募する
  6. 面接での選考を受ける
  7. 内定をもらう
  8. 退職手続きをする

上記ステップの1〜3、4〜6、7〜8でそれぞれ2〜3ヶ月かかると思っているとイメージがしやすい。君が具体的に、いつ転職をしたいというのが明確に決まっているならば、逆算してどのタイミングでは何ができていなければいけないかが明らかになるだろう。転職活動は早く動き出したものが有利だ。いまこの瞬間から自分ができることを始めてほしい。

3.自己分析をする

転職活動において応募先の企業から問われること、それは「今までどんな経験をしてきて、応募先でどんなことができるのか」である。ここでいう自己分析とは、言い換えるならばこれまでの業務の棚卸しを行い、自分の経験、できることをまとめる作業である。

よく転職サイト等では、「自分のやりたいこととできることを分けて考える」という記事を見かけるが、自分のやりたいことの分析は必要ない。なぜなら、転職活動の軸を決める際に自分のやりたいことや転職を通じて手に入れたいものはすでに分析を行なっているからである。

就職活動の際に自己分析をした人は経験があると思うが、自己分析はいつまでも続けられてしまうものだ。派生して、自分の人生論や自分探しの旅となり、貴重な時間を浪費してしまうことは避けてほしい。

時間軸で棚卸しをする

自己分析のゴールは、「私はこれまで〇〇のことに取り組み、〇〇の経験から〇〇のことを学びました。〇〇をした経験は、御社の〇〇という事業において、〇〇という形で貢献できると考えています」ということが明確になることだ。

自分の経験を棚卸しする際には、時間軸で棚卸しをすると進めやすい。入社してから3年ほどしか経っていない君であれば比較的短時間で終えることができるだろう。まずは経験を書き出し、そこで何を学んだか、今の業務に何が活きているのかを合わせて分析するといいだろう。

4.情報収集する

転職の軸に合った業界や企業がどこであるのかという情報を収集するステップだ。例えば、転職の軸に「旅行が好きであるため、季節に応じて勤務地を変えたい」という軸があったとする。春は京都、夏は沖縄、秋は東北、冬は北海道といったように、場所に囚われず自由な生活ができる業界となる。

そうなると、業界としてはデジタルコンテンツやオンライン、アプリでサービスを提供している業界が中心となる。余談となるかも知れないが、ヤフー株式会社、PayPay株式会社といったZホールディングス傘下の企業はこの望みが叶えられる環境にある。

ただ、日本国内だけでも企業は数え切れないほど存在し、情報量は膨大である。自分で情報収集するにはかなり時間がかかってしまう。

転職エージェントをうまく活用する

転職の軸やスケジュール感、自分の持つスキルがこの段階である程度明確になっているため、このタイミングでは転職エージェントを使うことをおすすめする。転職エージェントは、自分の情報を整理できていないと全く機能しないのだが、きちんと情報を整理できていれば大きな力になってくれる。

転職エージェントとうまくコミュニケーションしながら、君の条件にあった企業や業界を提案してもらおう。なにせ無料なのだから、使わない理由はない。

登録するエージェントに迷ったら

  • リクルートエージェント
  • マイナビエージェント
  • dodaエージェント

といった大手の企業を登録しておけばまずは問題ない。

その他有力な情報収集方法

転職の情報収集において大切なのは、企業がホームページに出している状況だけでなく、第三者的な観点の情報を収集することだ。転職エージェントは、君を企業に転職させて初めて報酬が入る仕組みとなっている。故に、君が転職することにはポジティブな情報を与えてくる。

偏った情報に流されないようにするために僕が実際に情報収集に使ったものを紹介しておく。

  • 四季報
  • openwork

君が応募しようと考えている企業の情報の収集については、是非上記2つからも情報収集してほしい。特にopenworkは、実際にその企業に勤めている社員が書いている口コミサイトだ。企業の実態や裏側を把握するにはもってこいの手段であるため、チェックすべきだ。

5.必要書類を作成し、応募する

企業に応募をするためには、事前に履歴書や職務経歴書を作成し、エントリーすることとなる。注意すべき点は、履歴書と職務経歴書において見られるポイントが全く異なるということである。応募先企業の人事が見るポイントを抑えて、そのポイントにあった内容にすることが必要となる。

履歴書で見られるポイント

履歴書では、君がこれまでどんな経歴を歩んできたのかが見られる。

  • 学歴
  • 職歴
  • 資格が募集条件を満たしているか
  • キャリアにブランクはないか

この辺りを主にチェックされると考えておくと良い。上記を見る限り、特に心配する内容はないのだが、ここで写真の提出も求められることになる。転職活動における第一印象はとても大切であるため、スピード写真ではなく写真館で撮影した写真を提出してほしい。

職務経歴書で見られるポイント

職務経歴書では、君がこれまでどんな業務をしたきたかが見られる。

  • 募集条件に合った職務経験があるか
  • 創意工夫して仕事をしてきたか

このあたりがチェックされる。ポイントは、志望企業の求める人材像にマッチしているように、職務経歴書を書くことである。通常、求人情報の中には求める人材像や望ましい経験など、その企業が求める人材像が散りばめられている。「自分はあなたが求める人材像にピッタリですよ」ということを職務経歴書を通じて伝えられないと書類は通過しない。企業の人事は、何千・何万といった書類に目を通している。そのため、テンプレ化された内容では必ずバレることを理解しておこう。

6.面接での選考を受ける

応募書類の選考が通過したら、次はいよいよ面接となる。ここで強調したいのは、面接に向け、練習をしっかりとしてほしいということである。応募書類を提出する際に、志望動機や自分の強み、自己PRポイントはすでに整理できている。あとは、準備した内容を当日発揮できるかである。

しかし、経験してみるとわかるが面接当日はかなり緊張する。就職活動と比較すると、転職活動は面接をこなす数が圧倒的に少ない。そのため、場慣れしないまま本番を迎えることが多い。準備した期間や、思いが強いほど、「失敗したくない」という思いから緊張してしまうのだ。だからこそ、本番を想定した面接練習を必ずやってほしい。

面接の練習方法

では、どのような面接練習をすれば良いか。面接で聞かれる質問内容は、大体同じである。そのため、本番で聞かれる内容を、自宅で鏡の前で表情を見ながら本番と同じくらいの声のボリュームで練習してほしい。面接本番では、大体下記の流れで進むことを理解しておくと、練習しやすいだろう。

  1. 自己紹介
  2. 職務経歴書をもとにした自己PR
  3. 志望理由
  4. 聞きたいことはあるか(逆質問)

7.内定をもらう

面接を通過し、内定を見事に勝ち取った後にすべきことがある。それは「冷静になること」である。

大前提として、内定を獲得したからといって必ずその企業に行く必要はない。必死に転職活動を行い選考に通過すると、純粋に嬉しい。自分の価値が社会に認められた様な気分になる。当然、内定をくれた企業が良い企業に見えるものだ。だが、ここでもう一度「本当にその企業に転職するか」を判断してほしい。改めてその企業に勤める人に話を聞いたり、口コミサイトを見て情報収集を行おう。

内定後に確認すべきこと

再度検討し、その企業に転職することを決意したら、確認すべきことがある。

  • 入社日
  • 給料
  • 労働条件

この3点については、トラブルになりやすいポイントであるため、転職先としっかりと意識合わせしてほしい。もし他にも内定をもらっている企業があるなら、その企業の条件を引き合いに出しながらより良い条件を引き出す交渉を行おう。この辺りは、センシティブな内容になるため転職エージェントに交渉を任せてもいい。

退職手続きをする

結論から言う。円満に退職するためには、会社に2か月ほど前には伝えておいた方がいいだろう。なぜなら、会社に退職することを伝えてから、「明日から来なくていい」となる訳ではない。

  • 退職に伴う各種申請(書類作成含む)
  • 社宅の解約
  • 貸与品の返還
  • 引継ぎ

上記に加えて、有給休暇を消化することを考慮すると、余裕を持って約2ヶ月前には伝えておいた方がいいだろう。

最短2週間で退職できる

一方で、ブラック企業でありがちなのは、退職の引き留めに合うことである。その引き留めの理由として、「就業規定上、半年前には退職を伝えてもらわなければならない」と言われることが稀にある。ただ、就業規定はあくまで会社が勝手に決めたものである。民法上は、最低でも「退職する2週間前に会社に通告すればよい」となっているので、悪質な引き留めに合っても恐ることはない。

また、別の理由で引き留めにあい、どうしたら良いかわからなくなった場合は、転職エージェントに相談してみてほしい。転職エージェントはそのあたりについて、詳しく理解しているためきっと君の力になってくれるだろう。

退職する際にはネガティブなイメージを残さない

退職する際のポイントは、「立つ鳥跡を濁さず」である。

もう退職するからといって、中途半端な引き継ぎや、業務への真摯さを忘れてはならない。日本という世界は狭い。いつどこで、昔の勤め先が取引先に変わるかが分からないのである。また、少なからずとも君はその会社に社会人としてのイロハを教えてもらったのだ。

会社からすれば、とても痛いことなのだ。新入社員として採用して、君をここまで育てあげるに使った経費は計り知れないだろう。だからこそ、最終出勤を終えるその日まで力を抜かずに円満に退社することをおすすめする。

まとめ

転職について、大まかなステップを解説した。転職活動というのは、経験者が少ない。その中で情報を集めることは非常に難しいことだ。だが、その情報を集めてでも行動する価値があることを覚えておいてほしい。

会社は君を幸せにしてくれる訳ではない。会社は君に合わせてくれる訳ではない。君が今勤めている会社を決めたのは、誰でもなく君だ。入社し、本当の意味で君の所属する会社を知っていく中で、もし君の人生の方向性と異なるならば、今すぐに別れるべきである。

また、少しでも悩みや違和感があるなら、具体的に行動して見てほしい。自分が求めているものを明確にし、転職エージェントに相談する。2時間もかからずに、行動できる。惰性で同期と愚痴ばかりいう飲み会をしていても状況は何も変わらない。君が幸せになる日は訪れない。

現状を変えるためには、行動するしかない。行動するかしないかは君次第だ。君の成功を心から祈っている。

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