こんにちは。シャチホコです。
この記事では、転職活動を始める君へ、職務経歴書の書き方とそのコツを伝授する。職務経歴書という単語を聞いたことがあるだろうか。就職活動では履歴書+エントリーシートの提出のケースがほとんどだったと思うが、転職活動においてはこの職務経歴書というものの提出が必要になる。
職務経歴書とは、企業が君の業務経験とスキルを確認するための書類である。君がこれまでにどのような仕事に携わり、どのような経験や技能を持ち、それをどう活かすことができるかを採用担当者に伝えるための書類だ。A4サイズの用紙1~2枚にまとめるのが一般的となっている。
「書類作成は苦手だ」という人も心配しなくていい。結論、作成していれば慣れるし、どんどんブラッシュアップしていくものだ。職務経歴書の書き方についてできるだけ簡単にわかりやすく解説していこう。
転職活動の書類通過率は低い
転職における、勝負どころは間違いなく「面接」である。これは就職活動でも同じで、書類だけで採用されることはない。就職活動で山ほどのエントリーシートの作成をこなしてきた君たちであれば、転職活動の職務経歴書も特にポイントを抑えなくても突破できると思っていないだろうか。
結論、転職活動の書類通過率は、就職活動のそれと比べるとかなり低い。そのため、転職活動における書類作成のポイントを知っていないと、志望企業の面接にすら行けないということになるのだ。
履歴書と職務経歴書とは?
企業に応募をするためには、事前に履歴書や職務経歴書を作成し、エントリーすることとなる。注意すべき点は、履歴書と職務経歴書において見られるポイントが全く異なるということである。応募先企業の人事が見るポイントを抑えて、そのポイントにあった内容にすることが必要となる。
- 履歴書:基礎情報のチェック。マイナスポイントを払拭するためのもの。足切り。
- 職務経歴書:その企業で活躍できることを証明するためのもの。
大まかな流れで言えば、採用担当は履歴書をチェックし、君の基礎情報(年齢、どんな大学を卒業し、どんな資格を保有しているか)を確認する。その上で特に問題が無い様であれば、職務経歴書のチェックをすることになる。
大前提としてここを混同している転職活動者が多く存在するので、上記を念頭においた上で、書類作成をしてもらいたい。それぞれの書き方について、具体的に解説していこう
履歴書の書き方
履歴書においては、上述したとおり足切りとして見られることが多い。言い換えるならば、減点方式で採点されると思ってほしい。そのため、履歴書においてはいかにマイナスされないかが全てだ。
では、履歴書においてどんな点がマイナスになるか。下記がマイナスとなる可能性のあるポイントである。
- 職歴に空白がある(短期離職、休養期間がある)
- 誤字、脱字がある
- 数字の全角、半角がバラバラ
- 分量が適当では無い(分量が多すぎる、少なすぎる)
- 写真の印象が悪い
上記は、履歴書を提出する上では必ずチェックしてほしい。誤字脱字、半角全角は悪いが、当然だ。力が抜けがちなのは証明写真である。履歴書は君の第一印象になる。人生を左右する様な写真を、駅にあるスピード写真撮影機では絶対に取らないでほしい。安くてもいいので、写真館で撮影をする様にしよう。
職歴に空白がある場合の対処法
隠しても仕方ないため伝えると、職歴に空白がある場合は基本的にマイナスになる。そのため、職歴に空白がある場合は、先回りして空白となった理由を備考欄等に書いておこう。
前職を数ヶ月で離職しているとする。その理由を、それらしく正当な理由があったことが伝わるように書いておくことだ。ここで大切なのは、「ブラック企業だったから」なんて前職の会社批判は絶対にしないことである。なぜなら、その会社に入社することを選択したのは誰だ。また、その会社をブラックだと見抜けなかったのは誰か。全て君だからだ。
もし「ブラック企業だったから」と書けば、採用担当からすると「他社や環境に責任を押し付ける人」だというイメージを持たれてしまうだろう。
ではどの様に書けばいいか。
短期離職の理由の記入例
ここでは、退職理由を自分ではどうすることも出来ない理由を書くことが重要だ。
- 入社して間もなく、経営層の交代に伴い会社の大きな方針転換が生じ、それに伴い環境が大きく変化した。入社前の自身のキャリアプランと乖離が大きく生じたため、退職した。
- 会社の業績不振に伴い、入社前の条件と比較し、労働条件が非常に厳しい条件となった。
上記の様なイメージである。それに加えて、自分がその環境を見抜けなかったことにも問題があり、反省している旨の記載もしてほしい。下記の様なイメージである。
- 一方で、会社の環境を入社前に見抜けなかった自分に責任があると考えている。
- この経験を踏まえ、貴社にで面接を受けさせていただける場合には、労働条件のすり合わせを綿密に行いたい。
ここで書いたのは、あくまで一例だ。上記を書いたからといって、減点されないとは限らない。しかし、職歴に空白がある場合は対策をしないと、足切りの対象になってしまう可能性が非常に高い。そのため、職歴に空白がある人は、必ず理由を書いて挽回することを意識してほしい。
職務経歴書の書き方
職務経歴書の目的は、自分が転職した後にも活躍できることを証明することである。職務経歴書を作成するにあたり、抑えておくべきポイントは下記の2つである。
- 志望企業がどんな人材を必要としているかを把握する
- 採用担当者に会ってみたいと思わせること
この2点である。それぞれについて解説していこう
志望企業がどんな人材を必要としているかを把握する
職務経歴書を採用担当が見た際に「この人は我々が求めている人物像にマッチする人だ」と感じてもらう必要がある。そのため、志望企業がどんな人物像を求めているのかをイメージしてみることだ。
- 年齢
- スキル
- 職務経験
- 入社後の職務内容
求人票に書かれている内容を記憶してしまうほど、何度も読み込み、企業が求めている人物を頭の中で架空人物として作りあげてみるのだ。また、求人票のみでなく企業の採用ページやopenworkといった口コミサイトからも情報収集し、どの様な人材が活躍しているのか、求められているのかの情報収集を行うことをおすすめする。
キーワードを散りばめる
前提として、職務経歴書は一言一句丁寧に読んでもらえるものではない。なんとなく眺められて、目に止まったキーワード部分を詳細に読まれるイメージを持っていてほしい。そのため、「ここは強調したいんだ」という部分については、キーワードを散りばめることを意識する。
例えば、企画職を求める企業があったとしよう。その際には下記の様なキーワードが目に止まりやすい。
- ゼロから立ち上げた
- ポジショニング
- セグメンテーション
- ターゲティング
そしてそのキーワードをちりばめた部分の情報には定量的な数値等を踏まえ詳細に記載しておくと好印象を持たれやすいだろう。
採用担当者に会ってみたいと思わせる
職務経歴書を通過し面接に進むためには、当然ながら採用側に「会ってみたい」と思わせることが大切だ。言い換えれば、「この人はすごそうだな。優秀そうだな」と思ってもらうことである。そう見せるためのポイントは以下の2つだ。
- 成果を数値化すること
- 達成に向けた自分なりの創意工夫を書くこと
成果を数値化すること
相手に自分の実績を伝える際に大切なのは、数値で伝えることである。
例えば、職務経歴書上に
- 入社以来、営業成績において実績を上げ続けてきました
と書かれていても、イメージが付かないだろう。「何と比較して高いのか。どれくらい高いのか。」が参考値や平均値と比較されておらず、イメージが出来ないからである。
一方で下記の様な書き方をしたらどうだろう。君の営業としての良さが伝わらないだろうか。
- 会社から設定された目標に対し+15%の目標を達成し続けました。
- 私の部署全体では100名の営業がいますが、その中で目標を達成できたのは僅か15名ほどです。
- それを私は入社以来3年達成し続けてきました。
平均値や参考値を使いながら、数値で実績を明確にし、読んだ相手に具体的にイメージがしてもらいやすい様に心がけよう。
達成に向けた自分なりの創意工夫を記載すること
上記に加えて、自分なりにどの様にその実績達成に向けた創意工夫を行なったのかを記載することがポイントだ。
上記で記載した実績は、どの様な戦略の元で実行したため得られたかを記載することを意識する。内容としては、
- 課題
- 仮説
- 打ち手
- 結果
の4つのステップに分けて記載をすると伝わりやすい。すべての経験について記載する必要はない。自分が伝えやすいエピソードを2-3つピックアップすればいいだろう。
ここでは、君が課題にぶつかった際にどの様にアプローチするかが見られる。面接においても重要なアピールポイントとなるため、力を入れて書く様にしよう。
ここまで整理した後、いよいよ転職エージェントに登録し情報を収集することになる。転職活動を始める際には、転職サイトと転職エージェントと2つ存在することに気づくだろう。例を挙げると、リクナビNEXTとリクナビエージェントの違いである。
転職エージェントに添削してもらう
職務経歴書を作成することができたら、次のステップとして転職エージェントに添削をしてもらうと良い。
結論から言うと、全ての企業で使える共通の職務経歴書が完成することはない。なぜなら、企業によって求める人材像やポジションが異なるためである。そのため、その企業にあった人材像に合わせた自己PRや職務経歴のアピールをする必要があるからだ。
企業によって、重要視されるポイントは千差万別だ。過去のノウハウからどの様な書き方が志望する企業に受けているのかをエージェントから情報収集するとよい。場合によっては、ウケのよかった職務経歴書を共有してもらえることもある(※個人情報は伏せ、本人に同意をとったものに限る)
転職エージェントはぜひうまく活用してほしい。ここでは、まだ転職エージェントに登録が完了していない人向けに転職エージェントとは何かについて解説していく。
転職サイトと転職エージェントの違いは?
ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。
- 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
- 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる
転職エージェント利用の際に気をつけること
転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。
また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。
転職エージェントをうまく利用する
上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。
まずは第二新卒でどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。
まとめ
書類作成はどうしてもある程度時間を要する。業務の棚卸しをし、そこから何を学んだのか。応募先の企業にどの様に生かすことができるのか。このあたりを考えるのはなかなか骨が折れる。しかし、書類の通過なくして、転職の成果はない。
70点でもいいから、作成を行い転職エージェントに添削をしてもらい、ブラッシュアップをすると良いだろう。本業をしている君にとって時間は有限である。限られた時間の中で高いパフォーマンスを出せたものが転職活動においては勝ち残っていく。
是非、今すぐ行動に移してほしい。君の成功を心から祈っている。
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