こんにちは。シャチホコです。
自分が行きたい部署に手を挙げていくことのできる制度である、社内公募に応募する動機は大きく2つ存在すると思います。1つ目は「自己実現のため」つまり、やりたいことの実現です。2つ目は「職場環境を変えたいため」です。この2つ目はよく「逃げの社内公募」と呼ばれますが、逃げの社内公募はダメなのでしょうか?
僕は全然「あり」だと思っています。この記事では僕の経験から逃げの社内公募がありだと思う理由について解説していきます。
▼僕が逃げの社内公募に応募した理由
実は僕は過去にこの「逃げの社内公募」に応募したことがあります。当時の僕は、企画職特有のハイプレッシャーかつ長時間労働に悩んでいました。また、チームのメンバーも皆忙しくギスギスしていたため、仕事が自分にとって大きなストレスになっていたのです。
その時にこの逃げの社内公募に応募をしました。結果は不合格だったのですが、応募してみてよかったなと思っています。その理由については、下記の記事で解説しているので、よければ参考にしてみてください。
▼逃げの社内公募とは?
前述した通り、「逃げの社内公募」とは現在の職場環境に悩んでおり、その場を逃げ出すために社内公募に応募することです。その動機となる主な要因は下記の通りです。
- 人間関係に悩んでいる場合
- 労働時間に悩んでいる場合
- 仕事内容があっていない場合
- 転勤が嫌で悩んでいる場合
どれも非常にストレスになるものばかりですし、仕事は1週間のうちに5日を占めます。仕事でストレスを抱えていると、プライベートにもストレスがかかりますよね。
▼逃げの社内公募はありなのか?
結論から言うと、逃げの社内公募は「全然あり!」だと思います。
・逃げかどうかはわからない
応募するにあたり、不安なのが「逃げで社内公募受けて周りにバレたらどうしよう」ということです。しかし、「逃げ」であるかどうかなんて誰にもわかりません。あなたが「この部署にずっと異動したかった」と言い切ってしまえば、誰もそれを否定することはできないでしょう。
一方で、面接官に「逃げの社内公募」であることがバレないように面接の準備は徹底的にする必要があります。なぜなら、社内公募自体が枠が少ないため倍率が非常に高くなっているため、「今の職場環境を変えたいから」という理由では絶対に採用されません。
そのため、仮に逃げの社内公募だとしても、志望動機、やりたいことなどは徹底的に準備して、公募を勝ち取りに行く前提で応募するようにしましょう!
・自分が壊れる前に逃げ出すべき
まさに僕がいた部署がそうなのですが、会社内にはいくつか「ブラック」と言われる部署が存在します。業務がハードであるため、外部採用してもすぐに退職してしまい、人が育たずに結果として少人数で仕事を回さざるを得ない状況の部署に多いです。
当然ながら他の部署と比べると一人当たりの負荷は大きくなり、ストレスも大きくなります。そんな部署では心が壊れてしまうこともあり、僕の部署では休職している人が周りにたくさんいる状況でした。
もしあなたもそのような状況なら、壊れてしまう前に逃げの社内公募に応募すべきです。僕自身もそんな環境で働く中で心が壊れそうになっていました。結局僕は転職し、脱出することになりました。冷静になった今だからこそ言えることですが、今すぐそんな部署は逃げ出すべきです。
▼逃げとしての社内公募がありな理由
逃げの選択肢としては「転職」という選択肢もありますが、僕はまずは社内公募で逃げる道を探すべきだと思います。その理由について解説していきます。
・転職と比較するとリスクが低い
転職をすると、当然ながら会社が変わります。転職者のうち一定数は「前の会社の方がよかった。転職しなければよかった。」という人が存在しています。それは業務内容に加え、住む場所、給与体系変更の生活水準変更など多くの変化が起きるためです。
一方で異動という形であれば、変わるのは業務内容くらいです。もし移動先で仕事が合わなければまた異動すればいいですし、「前の会社の方がよかった」と思うこともありません。低いリスクで労働環境を変えることができるのです。
・事前に職場の状況を探れる
労働環境を変えるために転職したのに、結局転職しても変わらなかったということはよくあります。例えば、長時間労働で悩んでいたのに、転職しても同じように長時間労働だったということもよくあることです。
社内公募では、その部署に知り合いがいれば事前に労働環境についての情報収集することができます。実際に僕が社内公募を受けるときにも、運良く同期がその部署にいたので、色々と話を聞かせてもらいました。部署によって残業の考え方や、リモート中心かどうかなどが全然違うので、「同じ会社の中でもこんなに違うんだ」と実感したことを覚えています。
・今までの労働条件を引き継げる
働く上で大切なのが、給料です。特に家族がいる人にとっては、家族を養うためにも給料というのはとても大切な要素になると思います。他にも住宅手当、扶養手当といった福利厚生が存在すると思うのですが、転職をするとこの給与や福利厚生といった労働条件も当然変わります。
また、日本の企業の中にはまだまだ「新卒至上主義」なる会社が存在しており、転職者は出世しにくい体質の会社も存在しています。その点社内公募だと労働条件はもちろん、今までの評価や実績をそのまま引き継ぐことができるのでリスクが低いですよね。
▼社内公募を利用する上での注意点
ここまでで社内公募は低いリスクで労働環境を変えることができる手段であることを理解いただけたと思います。でも社内公募は万能薬ではありません。
・異動しても会社の本質的な風土は変わらない
部署異動をしても、会社の経営陣が変わるわけではありません。長時間労働、サービス残業の蔓延などは、自分の直属の上長に責任がある一方で、会社全体の問題でもあります。
つまり、社内公募に合格して無事に異動を勝ち取ったとしても、本質的な風土が変わらない以上、遅かれ早かれ同じ悩みに苦しむ可能性があります。
・人間関係がゼロになる
異動を経験したことがある人なら誰しもがわかると思うのですが、異動すると人間関係がリセットされます。周りが全員知らない人のコミュニティに参加することになります。これがかなりエネルギーを使います。
また、そういった環境に入り気づくことは「想像以上に周りに助けられていたんだな」ということです。自分が今まで築いてきた人間関係で解決していた課題が新しい職場では通用しなくなるのは、覚悟しておきましょう。
・業務知識がゼロになる
また、業務知識についても当然ゼロになります。今までチームの中心を担ってきたのに、まるで「新入社員に戻ったような気持ち」になります。当然、「自分には理解できない」と思ってしまい、何度も心が折れそうになります。
僕自身も転職したての頃、打ち合わせに参加しても何を話しているか理解できなかったり、業務知識がないため自分より年下の子に何度も頭を下げて教えてもらいました。時間が解決することがほとんどですが、「前の会社にいた方がよかったのかな」と何度思ったことかわかりません。笑
・業務が必ずしも楽になるわけではない
最後に、異動しても業務が必ずしも楽になるわけではありません。むしろ最初のうちは、人間関係、業務知識がゼロの分、むしろ辛く感じてしまうでしょう。
また、楽な仕事というのはありません。営業には営業の大変さが、企画には企画の大変さが存在しています。その業務内容が自分に合う/合わないというのは存在しますが、「楽な仕事はない」というのは事前に覚悟しておいた方がよいでしょう。
▼転職活動も平行して進めよう
社内公募でのエントリーシート作成や面接対策で行った自己分析は転職活動にもそのまま流用することができます。転職活動を始めようと思うと、転職エージェントに登録し、職務経歴書と履歴書を提出する必要があります。ここが大きなハードルで、これを提出するのが面倒で終わってしまう人が多いようです。
僕も「面倒くさいな」と思っていたのですが、社内公募でまとめていたものがあったので、それをそのまま提出しました。そうすると、転職エージェントからすぐに連絡がきて、最初の面談をしました。そこでも社内公募でまとめた、自分が求める働き方や成し遂げたいことを伝えることができたので、すぐに自分にマッチした転職先の候補をいくつか出してもらえました。
この瞬間に一気に世界が広がったような気がしました。「この会社にしがみつく必要はないんだ」と思うと、心からワクワクした感覚を覚えています。社内公募には落ちてしまいましたが、社内公募に応募したからこそ僕は転職活動ができ、転職をすることができました。
▼まとめ
逃げの社内公募を受けるのは全然ありだと思います。一方で、応募するなら全力で準備をしないと合格できないこと、そして異動に伴い「自分が何を手にしたいのか」を明確にしておく必要があると思います。
また、成長に痛みがつきものであるように、変化にも痛みはつきものです。新しい環境での人間関係、業務知識の習得に苦労することも事前に覚悟しておきましょう。
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