こんにちは。シャチホコです。
「リストラ」という言葉を知っている人は多いと思うが、自分には関係ないと思っている人がほとんどだろう。しかし、ここ数年で日本の名だたる大企業たちが相次いでリストラを敢行している。このリストラの特徴は、「経営が立ち行かなくなった末のリストラではない」ことにある。終身雇用が崩壊し、会社が定年まで従業員を守る時代が終わったのだ。このような環境下でリストラされないために、リストラ候補になりやすい人の特徴5選と、リストラされた時に向けた対策について解説していく。
リストラ候補になりやすい人の特徴5選
リストラが敢行される時に、企業がリストラの対象者としてピックアップする人はどのような人なのだろうか。当然ながら、抽選で対象者を選別するわけではなく、そこには理由や特徴がある。ここではリストラ候補に挙げられる人の5つの特徴を解説する。
特徴1:40歳以上である
実際のリストラ事例を見ると明らかだが、リストラ対象者を40歳以上と定める企業は多い。例えば、axev、LIXIL、オンワード、ANAのリストラにおいては40歳以上を対象としてリストラを行った。会社側からすると、年功序列の給与体系において40代以上の非管理職の給料は、働きの割りに合わずコスパが悪いということになる。
しかし、当然だが40代以上でも管理職になっていればリストラをする側になることができるので、状況は変わる。近年は管理職を志向しない若手社員が増えているが、非管理職の場合リストラ対象となる可能性が高くなることを理解しておくべきだ。
管理職を志向しないことのデメリットは下記の記事で解説しているため、ぜひ参考にして欲しい。
特徴2:上司と仲が悪い
上司と仲が悪いというのは危険信号の一つだと捉えておいた方がいい。普段の業務において、所属長は人事権を持っていないため、部下を解雇にすることはできない。しかし、リストラが始まると所属長達の意見が反映されることは間違いない。
年齢、スキルのレベルが同等の2人のうち、どちらかを解雇しないといけない場合、最後は所属長の「好き、嫌い」で決まってしまうのだ。
特徴3:出世が遅れている
どの会社にも40代や50代になっても現場で実務を行なっている人がいるだろう。そんな人たちは「俺は現場が好きだからさ」「俺は出世欲とかないからさ」とかいって、あえて今のポジションを選択しているような言い方をする人がいる。
しかし、管理職になれていないということは「会社から評価されていない」ということである。リストラが始まれば、評価の低い人間からリストラ対象になるのは当然だ。
特徴4:昔の話をしたがる
昔の大規模プロジェクトの成功の話など、過去の栄光を語る人がどの会社にもいる。過去の栄光をよく話す人は、「昔は頑張っていたけど、今はイマイチ」であるケースがほとんどだ。
こういう人ほど上司からも部下からも「邪魔な存在」だと思われていることが多い。なぜなら、こういう人ほどプライドが高い傾向があり、非管理職なのに実務をこなさない傾向にあるからだ。
特徴5:おとなしいと思われている
意外かも知れないが、おとなしい人もリストラの対象になる可能性が出てくる。リストラはされる側だけでなく、通知する側にとっても非常にストレスがかかることだ。
リストラ実行者の立場からすれば、「面倒なことは避けたい」「できるだけ非難や抵抗されたくない」「短時間で終わらせたい」というのが本音だ。そうなると、黙って言うことを聞きそうな大人しい人をリストラしてしまおうという発想になる。法律がどうとか、パワハラがどうとか騒ぎそうな人には触れたくないのだ。
リストラ候補にならないための3つの対策
リストラの対象になる人の5つの特徴について解説してきたが、リストラ候補にならないためにはこの5つの特徴に当てはまらないようにすることだ。年齢や役職をすぐに変えるのは難しいが、下記の3つなら今日から変えることができる。
- 上司との付き合い方を見直す
- 過去ではなく、現在の自分を磨く
- 自己主張はハッキリと行う
まずは、今日からできることを変えていこう。
万が一自分の会社でリストラが始まったら
仮に自分の会社でリストラが始まると、当然ながら自分がリストラの対象になるか、ならないかが決まる。しかし、リストラの対象になろうが、ならまいが、自分のキャリアを見直さなければならなくなる。そのための準備をいまからしておくことが大切なのだ。
リストラの対象になった場合
実際にリストラにあうと、まともな精神状態を保てるのは極少数の人だけだ。「これからどうなるんだろう」「家族は養えるのか」「親戚からはどう見られるだろう」「友達からどう見られるだろう」頭の中は不安と惨めさのループとなり、ともかくパニックに陥るのだ。
しかし、現実はすぐに次の勤め先を探す必要がある。このような精神状態でまともに転職活動ができる人はほとんどいない。だからこそ、事前の準備が必要になるのだ。
リストラの対象にならなかった場合
仮にリストラの対象を逃れられたとしても、リストラの影響は社内に残る人間も受けることになる。当然ながら一人あたりの業務量は増えるし、社内はパニックに陥るため、職場環境も悪くなる。
そしてなにより「明日は我が身」だと考え、キャリアの棚卸しを始めることになるだろう。会社の状況が悪化した時に、失職しないように転職活動に向けた準備を始める人が多くなるのだ。
リストラが始まる前に準備しておくべきこと
最後にいざリストラが始まる前に、準備しておくべき4つのことを紹介する。下記の4つのことは、リストラと向き合った時はもちろんだが、会社員としては最低限必要な準備ばかりである。だから、仮に君がリストラとは無縁な関係だったとしても是非行動に移して貰いたい。
準備1:解雇規制を知っておく
まずはリストラに関する最低限の法規制の概要を理解しておくことをオススメする。下記のようなケースにおいては、一方的に会社の言うことを聞く必要はない。
- 合理的理由のない解雇
- 脅迫じみた退職勧奨
- 解雇予告、解雇予告手当のない解雇
実際に僕の友人にも、会社から退職勧奨を受け労働基準監督署に相談し、解雇を免れたケースというのが存在している。会社の都合でリストラを開始しているのだから、言いなりになってはいけない。少なくとも損しない形で退職できるように、情報を事前に収集しておこう。
準備2:人事評価を振り返る
入社してから今までの人事評価を振り返り、会社からどのような評価を受けているのかを確認してみるといい。評価が悪い時はどうしても言い訳が思い浮かびがちだが、一方で君よりも良い評価を受けている人間も実際に存在するわけだ。
過去の人事評価を見ることで、「自分がどれくらいリストラの対象になる可能性があるのか」を考えてみるといいだろう。自分の置かれている状況を冷静に分析することで、明日からの仕事に対する姿勢が変わってくる。
準備3:職務経歴書を書いてみる
職務経歴書とは、転職活動の時に必要な書類で、今まで自分がどのような業務に従事してきて、どのようなスキル(キャリア)を築いてきたのかをまとめた書類だ。
職務経歴書を書くことで、今までの社会人人生を振り返ることができ、社外でも通用する経験やスキルがどれほどあるのかを客観的に見ることができるのだ。職務経歴書が完成したら、転職エージェントに実際に見てもらい、オファーを受けてみると良いだろう。
職務経歴書の書き方については、下記の記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてみてほしい。
準備4:心の準備をしておく
「いままで会社に一生を捧げてきた。」という仕事人間と、「会社は仕事をする場所。それ以上でも以下でもない。」と割り切れる人では、リストラを宣告された時に受ける心のダメージが変わってくる。
会社に対する過剰な期待はやめて、社外との人間関係や時間を大切にし、良い意味で「自立」した関係で会社と付き合っていくといいだろう。
転職エージェントに登録する
いざリストラが敢行される前に、転職エージェントに登録し、転職の全体感をつかんでおくことをオススメする。転職活動自体は、ノーリスクだ。求職者はお金もかからない。
まだ転職エージェントに登録していない人向けに、転職エージェントについて簡単に解説する。
転職活動を始めると、転職サイトと転職エージェントと2つが存在することに気づくだろう。
転職サイトと転職エージェントの違いは?
ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。
- 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
- 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる
転職エージェント利用の際に気をつけること
転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。
また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。
転職エージェントをうまく利用する
上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。
まずはどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。
下記の記事で転職エージェントを使うべき理由を簡単にまとめているので参考にしてみて欲しい。
まとめ
リストラはこれから、より当たり前のものとして世の中に浸透していくだろう。これは変えられない流れであり、どれだけ嘆いてもどうしようもないことだ。この環境を理解した上で、社会人として独立し、「いつリストラを受けても対応できるようにしておく」ことが大切なのだ。
そのためには、会社との付き合い方を一度見直すべきだろう。会社は君を守ってはくれない。会社はあくまで仕事をする場であり、過剰な期待をしてはいけない。仕事以外の人生の時間を充実させること、世の中には今の会社だけではないと言うことを理解して欲しい。
君の成功を心から祈っている。
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