こんにちは。シャチホコです。
今の自分の業界は悪くないけど、働く企業を変えたい。そんな時に選択肢になるのが同業他社への転職です。実際に僕も転職活動を始め、改めて自分のいる業界の良さを実感し、結局同業他社へ転職することとなりました。
この記事では同業他社への転職を検討している人向けに同業他社に転職するメリットデメリットについて解説していこうと思います。なお、同業他社への転職については下記の記事でも解説しているのでよければ参考にしてみてください。
▼前提として同業他社への転職は注意が必要
内容に入る前に前提として、同業他社への転職は通常の転職とは異なります。注意しないといけない部分やケアしないといけない部分が多く存在しています。特に近年は情報漏洩事件なども発生しており、競業避止義務に関する温度感も高くなっています。
実際に僕も情報の取り扱いなどについては指摘を受けないように書類整理や貸与してもらったPCやスマホのリセットなどは徹底しました。転職先から内定を貰えたからといって、浮かれずに円満退職して転職先へ入社できるように準備を進めていきましょう。
▼【告白】僕が同業他社に転職した理由
まず、僕が数ある転職先の候補の中から、同業他社に転職した理由について紹介していきます。同業他社に転職する際の観点として参考にしてください。
・業界自体がホワイトで、その業界に残りたかった
僕が新卒で入った企業の業界は参入障壁も高く、数社で全体のパイを分け合っているような業界でした。そのため、他の業界と比べると利益率も高く、業務の割には給料の良い比較的ホワイトな業界でした。
ただ、僕は前職の企業の中で配属ガチャによりブラックな部署を引き当ててしまい、残業地獄に喘いでいました。もっとライフワークバランスを整えたいと思い転職活動を始めたのですが、やはり他の業界と比べてもホワイトな業界だったため、同業他社で働くという選択肢を考え始めました。
・働き方が柔軟だったから
次に転職先が同業界でありながら、前職と比べると働き方が柔軟であったことがあります。具体的にはリモートワークの推進、フレックス勤務、高い有給消化率など、同じ業界でありながらより柔軟に働ける環境でした。
この点がライフワークバランスを整えたい僕のニーズにマッチしていると感じ、同業他社の中でも今の会社を選択するきっかけとなりました。
・自分のこれまでの経験を活かしたかった
最後に僕は前職でやっていた仕事を嫌いではありませんでした。むしろやりがいを感じていました。そのため、転職して今までやってきたことが無駄になってしまうのが非常に勿体無いと思っていました。
そう言う意味でも同業他社だと今まで培ってきた内容をそのまま活かすことができるし、かつその業界の専門性を深くすることができると考え、同業他社への転職を決めました。
▼【実体験】同業他社に転職するメリット
では、具体的に同業他社に転職してみて感じるメリットについて解説していこうと思います。僕は実際に同業他社に転職して「よかった」と思っています。
・業界について知った上で転職が可能となる
1点目が業界を知った上で転職が可能となる点です。これは転職活動をするとわかるのですが、給与水準や働き方はその業界の構造によって決まる部分が多いです。
例えば参入障壁が高い業界と低い業界だと、低い業界の方が競合他社が多くいます。その理由は簡単で、事業を始めやすいからです。例えばアパレルや飲食は無数にブランドがありますよね?こういった参入障壁の低い業界では限られたパイを多くの企業が分け合うことになるので、1社あたりの売り上げは低くなり給与も低くなりますし、競争が激しいので仕事もハードになります。
同業他社の場合だと、今の自分の業界構造を知った上で転職が可能となるので、労働条件を余り変えることなく転職することが可能となります。なお、業界構造の話については下記の記事でも解説しているのでよければ参考にしてみてください。
・業務内容の親和性が高い
2点目が業務内容の親和性が高いという点です。例えば同じ企画業務でも、物体のないサービスの企画と、物体のあるメーカーの企画では観点が異なりますよね。これは転職してみて、入ってみないと自分に合う合わないが分かりません。当然、業界を変えて転職することはリスクとなります。
一方で同業他社であれば基本的に市場のトレンドや業務内容は大枠で同じです。A社でできていて、B社で全く通用しないという可能性は低いです。今やっている業務と転職先の業務の親和性が高いということは転職のリスクを下げることにつながるのです。
・その業界の専門性がより高くなる
同じ業界で2社渡り歩くと言うことは、当然ながらその業界の専門性が高くなります。最近は終身雇用が崩壊し、雇用形態がジョブ型雇用へ移行しようとしています。その環境で生き残るには専門性がとても大切になります。
僕自身そうですが、同じ業界で2社を渡り歩くと企業ごとの商品性や戦略の違いが明確に見えてきて、その業界に関する専門性が上がりました。今後の雇用形態の動向を見ても同業他社での転職はメリットが大きいと思います。
・年収がアップする可能性が高い
4点目が年収がアップする可能性が高いという点です。これは転職先としての考え方ですが、同業他社から優秀な人材を引っ張ろうと思うと、今より給与水準が高くないと、転職者からするとモチベーションがありません。
また、転職先としては親和性の高い人材を採用したいと考えています。そのため、他の人材と比較して少しお金を積んででも採用したいという思いから、年収がアップする提示を受ける可能性は高くなります。
・将来のキャリアを描きやすい
最後に将来のキャリアを描きやすいという点です。これは専門性が高くなるという部分にも通ずる点があるのですが、1社よりも2社で同じ業務を経験している人の方が見識が広く、その筋でエキスパートになれる可能性が高くなります。
また、中途採用者は基本的に新卒採用と異なり、本部跨ぎなどの大きな異動が少ない傾向にあります。即戦力の専門家として採用しているので、ゼネラリストとは違うんです。そのため、自分のキャリアを描きやすいといったメリットがあります。
▼【実体験】同業他社に転職するデメリット
ここまで同業他社に転職するメリットについて理解いただけたかと思いますが、同業他社への転職はメリットばかりではありません。中にはデメリットも存在しています。
・競業避止義務違反となる可能性がある
まず同業他社へ転職する際には、競業避止義務違反とならないように気をつける必要があります。競業避止義務とは、簡単に言うと、会社の情報を利用したり漏洩して、会社に不利益が被ることをしてはいけないという義務です。
企業によっては就業規則の中で、同業他社へ転職する際の規定を定めている企業もあります。転職後に揉めないように、同業他社へ転職する際には、必ず就業規則を確認することと、転職エージェントに過去に自分の会社から同業他社へ転職した事例があるかを確認するようにしましょう。
・転職することを相談できない
同業他社への転職を考えている時は、当然現職の上司や同僚に相談することができません。そのため、転職を決めるまでは1人で悶々と悩み続けることになります。
僕も本当は信頼できる上司や、尊敬している先輩に自分の考えを話してみて意見が欲しかったのですが、それはできませんでした。最後に転職するかどうか決めるのは自分自身ですが、一方で転職は人生で大きな決断です。それを1人で決めるのはなかなかエネルギーが必要です。
・前職での人間関係を失うことになる
同業他社へ転職することは通常の転職とは異なり、一定の批判を受けることになります。僕自身もお世話になった方には自分の転職先を明かしたのですが、賛否両論に分かれました。中には結構厳しいことを言う人もいました。
場合によっては、あなたが同業他社に転職することを「裏切り、不義理」と捉えそこで人間関係が途絶えてしまうこともあります。同業他社へ転職するということはそれも覚悟する必要があります。
・転職先で利用される可能性がある
転職後もデメリットはあります。やはり競合他社の動向を探るには、その企業出身者のコネを使うのが手っ取り早いです。そのため、スパイを命じられることが少なくありません。
しかし、これを行うとあなたが情報を抜きだした前職の人が情報漏洩の罪に問われることになります。なので絶対にしてはいけません。僕自身も今の会社でお願いされたことが何度かありましたが、やんわりと断りました。
・転職先がバレると気まずい
最後に、同業である以上、転職した後も意見交換会や取引先を介して、前職と関係が続く場合があります。仮にあなたが転職時に行き先を明かしていなくても、後々どこかで出くわしてバレるのはとても気まずいです笑
だからといって転職先を公表して退職する必要はありませんが、嘘をつくのだけはやめましょう。気まずさに加えて、「騙した」という悪いイメージがついてしまうからです。
▼同業他社に転職を成功させるために注意すべきこと
最後に同業他社への転職を無事に成功させるために注意すべきことについて解説してきます。基本的には前職を円満退社で終えれるように、やるべきことはきっちりとするようにしましょう。
・退職時には転職先を無闇に公開しないようにする
まずはじめに退職する際に、転職先を意味もなく公開することはやめましょう。基本的に転職先は公開する必要はありません。多くの転職者は具体的な企業名は伏せた状態で転職するのがほとんどです。
先に言っておくと、あなたが転職先を公開して得をすることは一切ありません。特に同業他社への転職の場合は恨みを買う可能性があり、転職先へ不要な情報を流される可能性もあります。通常の転職とは異なることを念頭に置き、余計な情報を公開しないようにしましょう。
・転職後に前職の情報を渡すことをしない
2点目が当然ですが前職の情報を流すことをしないことです。最近ニュースにもなっていますが、これがバレると大ごとになります。あなただけでなく、企業対企業の訴訟問題までに発展するので、軽い気持ちで情報を渡すのはやめましょう。
仮にあなたが情報漏洩し、問題になっても誰もあなたを守ってはくれません。むしろ前職にも転職先からも罪を問われることになってしまいます。情報を渡すことは絶対しないようにしましょう。
・退職時に会社の悪口を言わない
円満退職のためには当然ながら、会社の悪口を言わないことです。転職を決めた人の中には「こんな会社未来ない」「君も転職活動始めた方がいいよ」というように会社の悪口を言う人が一定数います。
出ていくあなたはいいですが、残ったメンバーからすると聞いていて、決して気持ちの良いものではありません。場合によってはそこで反感や恨みを買ってしまう恐れすらあります。退職するまでは余計なことを言わないようにしましょう。
・退職時の引き継ぎは丁寧にする
そして何より、退職時の引き継ぎは丁寧にしましょう。引き継ぎがあなたの最後の仕事です。そして、メンバーから見たあなたの最後の印象になります。引き継ぎはとても大変です。資料作成や時間にすごい時間がかかります。
しかし、ここで適当に引き継ぎをするとあなたのイメージは最悪になります。同業界である以上、今後どこで一緒に仕事をすることになるか分かりません。その時に胸を張って再開できるようにするために、退職時の引き継ぎは拘ってやり遂げましょう。
▼同業他社に転職する際におすすめのエージェント
最後にあなたが同業他社に転職する際に使うべきおすすめエージェントについて解説します。僕は転職する時に約20社の転職エージェントと会いましたが、そこで気づいたのは、「同業他社に転職しようと思うと、過去の事例が多くあるエージェント」でなくてはなりません。
過去の事例を多く持っている大手転職エージェントは下記の通りです。
- JACリクリートメント
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
この3社はいずれも大手ですし、エージェントのレベルも高いので、過去の同業他社への転職実績やケアすべきポイントについて細かくフォローしてくれるでしょう。
▼まとめ
経験者の観点から言うと、同業他社への転職はおすすめです。リスクやストレスを減らしながら転職できますし、自分自身のキャリア形成の観点においてもメリットが大きいです。
しかし、同業他社の転職をする以上は通常の転職とは異なることを念頭に置いて、ケアをしっかりとしながら転職するようにしましょう。
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