【結論】営業職はスキルがつかないって本当?営業職で獲得できるスキルを解説

キャリア

こんにちは。シャチホコです。

最近前職の営業時代の後輩から転職の相談を受けることが多くあります。その中で共通しているのが、「営業は外で通用するスキルが身につかないため、何をアピールすべきかわからない」という悩みです。確かに、営業は市場や製品といった環境で実績が変わるため、常に再現性があるかというとわかりませんが、スキルがつかないということはありません。

この記事では、僕自身の6年間の営業経験を通じて身についたスキルと、営業職のスキルが外でも十分に通用する理由について解説します。

▼【実体験】営業職はスキルがつかないってほんと? 

僕のキャリアを紹介すると、入社から6年間営業を行い、そこからサービス企画に配属されて、転職しました。転職先でも同じサービス企画を行っています。

営業とサービス企画と聞くと、相反するように見えますが、僕の経験上、サービス企画を初め「優秀だな」と思う企画職の人は営業経験者であることが多いです。つまり、営業で学んだスキルを別の業務でも発揮しているのです。実際に僕自身も社会人の基礎は営業で身につけましたし、今の自分を支えているのは営業時代の経験だと思っています。

▼営業職のやりがいは学歴が関係ない点

では、まず「営業のやりがい」ってなんなのでしょうか。僕自身が経験して感じることは、営業に学歴やバックボーンは関係ないということです。また、人それぞれやり方が異なることです。

やりがい1:営業スタイルが十人十色であること

営業のミッションはすごく簡単に言うと、与えられた目標を期限内に達成することです。そして、この目標という山の登り方に正解はありません。営業が面白いのは、目標を達成できるならば、どんな方法で達成してもいいです。

わかりやすく言うと、小さな案件をコツコツと積み重ねる人もいれば、大きな案件で一気に達成する人もいます。目標の達成方法はどこか受験勉強と似ている部分があり、性格が大きく出ます。まさに十人十色の方法があるのです。

やりがい2:結果を出せば学歴なんて関係ないこと

そして僕が実際に一番面白いと思ったのが、「学歴が関係ない」という点です。僕の前職の会社では、旧帝大や早慶といった優秀な大学を出ている社員がたくさんいました。ただ、営業は実績を出した人が偉いです。

高卒出身者が営業職でチームリーダーを務めており、有名大学出身のチームメンバーに檄を飛ばしている姿を見た時に、営業の面白さを痛感したことを覚えています。学歴と同じように年齢も関係ありません。新入社員や若手社員でも結果を残せばプレゼンスは一気に高くなります。

▼営業職はスキルがつかないと思われがちな理由 

では、なぜ「営業はスキルがつかない」と思われてしまうのでしょうか。その理由は、明確な資格が無かったり、環境によって実績が左右される点が原因だと思います。

理由1:資格がないから

資格を持っていることは、スキルがあることの裏付けになりますよね。例えば英検1級やTOEIC900点と聞くと「英語が得意なんだな」とわかります。一方で、営業には共通の資格がありません。「この資格を持っていれば、なんでも売れる」というような資格がないのです。

また、営業形態も会社や業界によって異なるという特徴があります。例えば、同じ金融業界で見ても直接営業の証券会社の営業マンと代理店営業の生命保険の営業マンは環境が全く異な理ます。そのため、再現性の高いスキルがついていると証明しにくいのです。

理由2:実績が市場に左右されるから

営業の実績は市場によって左右されるという問題もあります。例えば僕は大分で営業をしていたのですが、同じ1,000万を売り上げるにも大分と東京では難易度が異なります。

また、自分の担当クライアントに大口があるかないかでも実績は異なりますよね。このように、市場や担当によって実績が左右されてしまうというのも、営業にスキルがないと思われる一因だと思います。

理由3:商材によって結果が変わると思うから

また営業は扱う商材によっても実績が異なります。例えば、電球を売るのと、不動産を売るのでは商材を扱う量や金額が全く異なりますよね?また、同じ商材でも業界1位と10位では同じものを売るにも難易度が全く異なります。

このように、今扱っている商材で実績を残せても、商材や業界ないの順位が変われば全く売れなくなる可能性もあり、再現性が低いことからスキルがつかないと思われてしまうのです。

▼営業職はスキルがつかないは間違い!獲得できるスキル一覧

では、営業は本当にスキルがつかないのでしょうか。答えはNOです。冒頭で述べた通り、僕の経験上、他の職種で活躍している人の多くは営業経験者です。では、具体的にどのようなスキルがつくのでしょうか。

営業で獲得できるスキル1:コミュニケーション力

1つ目がコミュニケーション力です。営業は一般的にお客様や取引先の心を動かして商品を購入してもらいます。プロダクトに余程の力がないと、初対面でいきなり成約をもらうことはできません。

お客様や取引先に納得してもらうには相手のニーズを引き出す必要があり、ニーズを引き出すには人間関係を構築する必要があります。様々な人と人間関係を構築する経験は他の業務でも活かすことができます。

営業で獲得できるスキル2:人を動かす力

2つ目が人を動かす力です。営業は商品を購入してもらうにあたって、お客様に納得していただく必要があります。しかし、この納得の観点(ツボ)はお客様によって異なります。それは、お客様によって抱える課題や価値観が異なるためです。

お客様のキャラを把握し、そのお客様に合った表現方法で営業を行えるのがこの「人を動かす力」です。言い換えると、相手の立場に立って物事を考えることができるスキルです。

営業で獲得できるスキル3:プレゼン力

3つ目がプレゼン力です。「パワポを使ってお客様の前で商品の説明を行い、質疑応答を受ける」というシンプルな能力ですが、営業は場数が圧倒的に多いです。

そのため、話すスピード、抑揚、お客様の知識レベルに合わせて説明方法を変更できるなど、ただパワポを使って説明するだけじゃなく、プレゼンの目的である相手に理解してもらうスキルが身に付きます。

営業で獲得できるスキル4:論理的思考力 

4つ目が論理的思考力です。営業目標達成のためには、プロセスを分解し、行動を詳細まで分解していく必要があります。例えばテレアポ営業でも、架電件数×応答率×アポイント実施率×成約率=成約数となります。

このように分解が出来ると、目標達成のために月間で必要な架電数が割り出せたり、応答率を高めるための時間の分析等が出来るようになります。目標達成のための行動を分解し、計画を立てるスキルが身につきます。

営業で獲得できるスキル5:PDCA力 

営業の目標達成のためには、PDCAを回すことが必要です。立てた計画を行動に移し、結果を振り返り、対策を立てていくという一連のプロセスがPDCA力です。

営業は目標達成のために日常的にこのPDCAを回し続けています。月初にたてた計画を月中で見直し、必要に応じて計画を見直し、月末で追い込みをかけていく。この一連の流れを回し続けることで、PDCA力が定着していくのです。

▼【実体験】営業職以外でも営業職のスキルが通用する理由

ここまでで営業で獲得できるスキルについては理解いただけたと思うのですが、「本当に営業以外でも役立つのか」というのが気になると思います。ここからは僕の実体験から営業のスキルが役立つ理由について解説していきます。

理由1:仕事は1人ではできない

まず大前提として、仕事は1人ではできません。特に社会人として評価される大きな案件ほど、社内外問わず多くの関係者を巻き込みながら進めていく必要があります。その際に、いかに「協力者を増やすか」というのが大切になるのですが、人に協力を仰ぐには、仲良くなる必要があります。

その関係者と「仲良くなる」際に、営業で培った人間関係を構築するコミュニケーション能力が活きてくるのです。

理由2:みな相手の立場に立つのが得意じゃない

これは、別の職種になると気づくのですが、みな相手の立場に立つのが得意じゃなく、自分の立場での主張ばかりします。この時に、営業経験者は「相手の立場に立って、納得する伝え方で相手の協力を仰ぐことができる」のです。

これができると、「調整力のある人」としてかなり重宝がられますし、一気に案件の中でのプレゼンスが上がります。

理由3:自然にリーダーになれる

周りを巻きこむことができたり、社内調整が出来るようになると、自然とプロジェクトリーダーのような存在になっていきます。仮に、製品の知識やマーケティングのような専門知識がなくても、主要メンバーの1人になることが出来るのです

これは常に自分の案件や数字に責任を持ってきて、PDCAを回し続けてきた営業経験者だからこそのスキルだと思っています。

理由4:社内承認を得るためにはプレゼンが必要

最後に社内承認を得るにあたってもプレゼンが必要となります。社内の責任者の知識レベルに合わせて、限られた時間内で決裁が欲しい内容を端的に伝え、承認を取る必要があります。

ここでも、営業で獲得したプレゼン力のスキルが直に活かすことができるのです。

▼営業職のスキルを身につける方法

では、営業のスキルを身につけるにはどのようにすればいいのでしょうか。僕が実践した方法について紹介します。

方法1:本を読む 

営業のスキルに関する本は色々と出ています。僕がやっていたのは、自分がいる業界以外の人が書いた営業に関する本も積極的に読むことです。その中でも、デール・カーネギー著の『人を動かす』は全てのビジネスパーソンの役に立つ本なので、おすすめです。

方法2:お手本を作る 

冒頭で述べた通り、営業は十人十色です。そのため、自分に合った方法で目標を達成することが大切なのですが、手取り早いのが、「お手本を作る」ことです。

自分と似たような営業パターンの人を探し、お手本とすることで、自分のスキルを効率的に高めることができます。お手本を持つと、何か課題にぶつかった時に「あの人ならどう考えるだろう」と発想を広げることができます。もし可能であれば、お手本となる人に営業同行をお願いするのもおすすめです。

方法3:仲間と議論する 

自分の中でお手本を持ち、基礎の形ができたら、営業について自分の周りの仲間と色々と議論してみてください。営業は十人十色であるため、それぞれの人に学べきポイントがあります。

「これは合わないな」というのはやる必要はありませんが、武器は多ければ多いほど実績を上げられる可能性は高くなります。色々な人の話を聞き、パクれる部分はパクリながら自分だけの営業像を作っていきましょう。

▼どうしても営業職がいやだったら

この記事に辿り着くということは、あなたは少なからず営業に対してマイナスなイメージを持っているのかなと思います。最後にどうしても営業が嫌だった場合についてです。営業がどうしても嫌な人が取るべき行動について紹介します。

営業は辛いです。僕自身も営業が辛くて、最後は脱出しました。その体験談については、下記の記事でまとめているので、よければ参考にしてください。

・社内公募に応募する

まず最初に社内公募に応募することです。社内公募は自分が希望したい部署を手を挙げて異動できる方法です。

ただし、多くの場合今の部署に配属されてから◯年以上といった条件が設定されているため、若手社員がすぐに応募するのは難しいでしょう。また社内公募は即戦力が求められるため、過去の実績や評価が重視される傾向にあるので、少し足の長い話になるでしょう。社内公募については下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

・病んだふりをして異動を試みる

これは僕が実際にブラックな部署に配属された時にした方法なのですが、病んだふりをするという方法です。僕は当時月間80-90時間の残業をしており、夜1時くらいまで毎日働いていました。

その際に生活リズムが壊れ、産業医面談を何度か行い、直属の上司に異動を希望しました。この際に産業医にも「異動したい」という旨を伝えていました。実際に異動は叶いませんでしたが、業務量を減らしてもらうことができました。僕が病みかけた経験については下記の記事で詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。

・キャリア申告はボロクソに書く

多くの企業で定期的にキャリア面談なるものが設定されます。内容としては「自分の現在の業務の適正と今後どのようなキャリアを歩みたいのか」を記載するものです。この内容を基に上司と面談をし、キャリアの棚卸しと次の行動を決めるというものです。

このキャリア申告の中で、今の業務が合っていなくて異動したいという旨を忖度なく記載した方がいいです。会社としては、社員が退職することを恐れています。そのため、この記載内容が激しければ、人事と直接面談することができます。実際に僕もこの内容を盛りに盛って記載した結果、人事と面談することとなり、上司経由でチームを変えてもらうことができました。

・転職活動を開始する

社内での異動を検討しつつ、並行してすべきなのが「転職活動」です。転職活動を行い、「いまの自分のスキルでどのような選択肢があるのか」を知っておくと一気に視野が広がります。

また、今はエージェントとの連絡もリモート中心になっているので、仮に地方にいても東京の企業を簡単に受けることができます。

▼まとめ 

営業は大変ですが、やれば必ずスキルは身につきます。資格や環境に応じて実績の再現性が低い点で不安があるのは理解できますが、営業で学んだスキルは間違いなく他でも活かすことができます。

自信を持って営業の仕事に取り組んで欲しいですし、自分が目指したいキャリアがあるならそこに向けてスキルを磨いていってください。

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