転職に失敗しない求人情報の見分け方

業界/職種研究

こんにちは。シャチホコです。

転職活動を始めると、まずチェックするのが求人情報だと思う。転職エージェントからも提案を受ける際には、基本的にこの求人情報を基に、その企業に応募するか否かを判断することになる。

しかし、この求人情報のチェック方法には「コツ」が必要だ。この記事では、転職に失敗するひとの求人の選び方と、正しく求人情報を見抜くためのコツについて解説する。

転職に失敗する人の求人の選び方4選

転職したが「イメージしていた様な企業じゃなかった」という理由から再度転職する人は非常に多い。なぜこの様なアンマッチが生まれてしまうのか。その理由は、求人情報を適切に見抜くことができていないからだと僕は考える。求人情報を適切に見抜けていない人の特徴は、具体的いえば下記の4つの特徴だ。

  • 年収・福利厚生などの待遇条件だけで判断する
  • 有名企業への転職を重視しすぎる
  • 必須経験・スキルを鵜呑みにすること
  • 仕事内容の理解が浅い

年収・福利厚生などの待遇条件だけで判断する

結論から言う。高い年収の求人の裏側にはからくりが存在している。大前提として、転職をすることで年収が飛躍的に上昇するということは、なかなか考えにくい。君がとてもレアで市場価値の高いスキルを持っていたり、よほどの経験がない限りは、転職時の給料は現職での給料とほぼ同等だと考えておいた方がいいだろう。

しかし、世の中には高い年収が書かれた求人情報というのが多く存在している。高い年収の裏側には、実は色々なからくりがある。代表的なのが外資系企業の年収だ。外資系企業の年収は日系企業と比較すると高い。しかし、ジョブ型雇用であるケースが多く、住宅手当、家族手当といった各種手当が一切存在しないのだ。

また、その他にも残業がみなしとして年収に含まれていたり、いくら残業しても同一の賃金である裁量労働制といった人事制度が引かれていることも考えられる。こういった制度下では、無限な残業に追い込まれることが多い。いわゆるブラック企業であることが多いのだ。

ブラック企業やブラック業界の特徴については、下記の記事で解説しているので、是非参考にしていただきたい。

有名企業への転職を重視しすぎる

結論から言う。大企業や有名企業だからといった、「社格」を重視しすぎるのも良くない。やりがいや転職の軸などを特に考慮せず「有名企業だから」「大企業だから」という理由だけで転職をしてしまうケースだ。

確かに、有名企業や大企業であればそこに入社するだけで、安定していたり好待遇を受けられると言うメリットは存在している。しかし一方で意思決定の速度や裁量の少なさといった、大企業ならではのデメリットも多く存在している。社格がいいからといって、必ずしも君が求めている働き方が実現できるとは限らないのだ。

大企業で働くことのメリットやデメリットについては、下記の記事で解説しているので、是非参考にしていただきたい。

必須経験・スキルを鵜呑みにすること

結論から言う。求人情報に記載されている必須経験やスキルは、企業が求めている本当の条件よりも甘く書かれていることがほとんどだ。なぜなら、条件を絞りすぎると応募が集まらないというリスクがあるからである。そのため、その条件だけを鵜呑みにしていると、思うように書類選考を通過できないことが多いのだ。

ここで大切なのは、その企業の採用担当の立場に立つことだ。応募する企業の状況(注力領域、新規領域)を決算発表会の内容などで把握し、どのような人材を求めているのかをイメージする。そして、書類や面接やではその人材像にあったエピソードや見せ方をしていくべきだ。

企業が求める人材像に合わせたレジュメの作成方法については、下記の記事で解説しているので、是非参考にしてみてほしい。

仕事内容の理解が浅い

結論から言う。同じ職種でも企業や業界によって業務内容は全く異なることを理解すべきだ。

例えば営業という職種1つにおいても、さまざまな営業形態がある。代理店営業といった間接販売なのか、もしくは自分で売り込む直接販売か。直接販売の中でも、リスト営業、ルート営業、テレアポ、飛び込みなどなどその種類は多岐にわたっている。仮に君が、現職で営業をしており、毎日数字に追われるストレスから「もう営業はやめたい」と思ったとしよう。しかし、それで営業という職種をスコープから外すことはとても勿体無いことである。

君は「軸ずらし転職」という言葉を聞いたことがあるだろうか。軸ずらし転職とは簡単にいえば、自分が所属する業界、もしくは自分が行っている職種のどちらかを残し、高い年収のもらえる業界と職種を目指すことである。業界も職種も新たにすると、「未経験者」として扱われてしまうため、求人情報は当然限られてくる。そのため、良い求人情報を見逃してしまうリスクが存在しているのだ。

軸ずらし転職については、下記の記事で解説しているので、是非参考にしてみてほしい。

正しく求人情報を見抜くためのポイント4選

これまで転職に失敗する人の求人情報の選び方について解説してきたが、ここからは求人情報を正しく見抜くためのポイント4選について解説をしていこうと思う。求人情報を正しく見抜くためのポイント4選とは下記の通りである。

  • 業界とその中での業態・ビジネスモデルを知る
  • 人事制度、給与体系を知る
  • カルチャーや働く人を知る

業界とその中での業態・ビジネスモデルを知る

結論から言う。会社員の年収は業界で決まっている。転職活動を行っている人に、年収が決まる要素は何かと聞くと多くの答えとして返ってくるのが「スキル」「ポジション」という答えだ。確かに、差別化できるスキルを持ちつつ、マネジメント経験があれば人材としての市場価値は高いだろう。しかし、その前に年収の水準というのは、業界によって決まっているのだ。

具体的に言うと、参入障壁が高い業界か低い業界かによって決まっている。参入障壁とは、新しくその業界でビジネスをしようと思った時にすぐに参入できるかそうでないかの差だと思えばいい。参入障壁が高いほど、競合他社が少ないため価格競争をしなくて良くなる。そのため、長期的に高い売り上げを維持することが可能となり、引いては高い利益を出し続けられることとなり、社員に還元できるのだ。いわゆる、ホワイト業界と言われるものである。参入障壁の高い業界で代表的なのは、通信、ライフラインといったインフラ業界や、工場を持っている化学メーカーなどがある。

ホワイト業界については、下記の記事で解説しているので、是非参考にしてみてほしい。

人事制度、給与体系を知る

求人情報を見ていると、最初に目につくのはやはり年収の部分だろう。この年収が高いか否かで、その求人情報が魅力的かそうでないかを判断しているケースが非常に多い。その中でよくチェックしないといけないのは、人事制度や評価制度である。特に、裁量労働制、みなし残業には注意が必要だ。

裁量労働制という言葉を知っているだろうか。裁量労働制とは、「みなし労働時間制」のひとつで、「労働時間が労働者の裁量にゆだねられている労働契約」のことを指す。裁量労働制の契約でみなし労働時間を1日7時間とした場合、実際の労働時間が4時間であろうと10時間であろうと、契約した7時間働いたこととされ、給与に反映される。簡単に言うと、成果へのコミットが前提となる労働制度となっており、成果を出していれば遊んでいてもいいが、成果を出せないならいくら残業しても同じ給料というものだ。主に企画やマーケティング系の職種で取り入れられることが多い。

「だらだら働かない成果主義」という意味で外面はいいのだが、日系企業における裁量労働制の実態は「無限残業」となることが多い。なぜなら、企画やマーケティングといった職種を経験したことがある人なら理解できると思うが、ディティールをこだわろうと思えばいくらでもこだわれてしまう職種だからだ。そのため、裁量労働制が引かれている企業においては、上司が求めるレベルも非常に高い。故に、無限残業に追い込まれるのだ。

このように、年収という外面だけでなく、働いた分がきちんと残業代として支払われるかは理解しておいた方がいい。労働力は君の唯一の財産である。君の人生の時間を切り取って、会社に売っている。この時間を安売りしてはいけない。時間とは命なのだ。

カルチャーや働く人を知る

入社する前に、その企業の雰囲気を掴むことは転職をするかしないかにおいて、大きな判断軸になる。入社して「イメージと違った」なんてことはよくあることだ。せっかく頑張った転職活動を意義のあるものにするためには、入社前に企業の文化や雰囲気について知ることが大切だ。

その際たる方法が、実際に働いている人に会って、話をきくことだ。しかし、それはなかなか難しい。そこで、僕がおすすめしているのが、Openworkというサービスである。Openworkとはいわゆる、社員口コミサイトである。実際にその企業に勤めていたり、既に退職した社員がその会社のリアルを書き込むサイトになっている。見てみるとわかるが、口コミ数が非常に多く参考になる。

一方で、大切なのはこのような間接的な情報を全て鵜呑みにしないことである。あくまで主観によって、価値観は異なる。例えば、月間30時間の残業時間でも多いという人もいれば、ブラック企業だという人もいる。大切なのは、そういった情報から可能な限り事実を抜き出し、自分なりにメリットとデメリットをまとめてみることである。何度もいうが、完璧な会社などこの世に存在しない。だとすれば、大切なのは何をトレードオフにできるかなのだ。メリットを享受する代わりに、デメリットを受け止め切れるか。ここにかかっていると僕は思う。

転職エージェントに登録し、情報を収集する

ここまで聞いていただいて既に理解できたと思うが、求人情報を見抜くには情報を鵜呑みにせず自分なりに咀嚼する能力が必要だ。情報収集手段としておすすめしたいのが、転職エージェントの活用である。

なぜなら、転職を検討している企業のリアルな情報について熟知しているし、ネットでは拾えない様な情報も転職エージェントからは聞くことができる。そして、情報収集において必ず君の役に立ってくれるのだ。

まだ転職エージェントに登録していない人向けに、転職エージェントについて簡単に解説する。

転職活動を始めると、転職サイトと転職エージェントと2つが存在することに気づくだろう。

転職サイトと転職エージェントの違いは?

ここで、君たちがすべきことは、転職エージェントに登録することだ。転職サイトには登録しなくてもいい。転職サイトと転職エージェントの違いは、下記の通りだ。

  • 転職サイト:自分で公開求人を見て、興味のある求人に応募する
  • 転職エージェント:転職のプロが君に合った求人を提案してくれる

転職エージェント利用の際に気をつけること

転職エージェントのビジネスモデルは、転職希望者が企業に転職したタイミングで初めてエージェントに報酬が入る。君たち転職希望者には全く費用が発生しない仕組みになっている。逆を言えば、転職が成立しない限り、転職エージェントに報酬が発生することはない。故に、転職エージェントは基本的に転職することを勧めてくる。

また、その中でも転職エージェントにとって楽な転職は「給与が下がる転職」だ。転職先の企業にとっては、他の企業で高い給料をもらっていた優秀な人材が手に入るため、合意がしやすい。故に、安易に給与が下がる転職を提案してくるエージェントには注意が必要だ。

転職エージェントをうまく利用する

上記の注意点を踏まえ、転職エージェントとはうまく付き合おう。

まずはどんな企業がどんな求人を出しているのか。今のトレンドの業界、求められているスキルをエージェントから情報収集するのがいい。その情報を得るだけで自分の市場価値をある程度測ることができる。第二新卒は少子高齢化が進む日本においては、マーケットとしてかなり熱い。エージェントも親身になって相談に乗ってくれるはずだ。

下記の記事で転職エージェントを使うべき理由を簡単にまとめているので参考にしてみて欲しい。

まとめ

求人情報は慣れるまではどこを注視すべきかがなかなか分からない。その中で僕がおすすめするのは、同じ業界の別企業の求人情報を比較してみることである。

基本的には同じ業界であれば、給与水準は同等であるケースがほとんどだ。しかし、なかには際立って年収が高かったり、低かったりするケースが存在する。その理由がなんであるかを見抜いていくことだ。自分なりに情報を比較し、立てた仮説を転職エージェントに聞いて確認するというフローが僕は確認方法において王道の方法であるように感じている。転職活動はやるとわかるが、現職をしながら行うため時間もエネルギーも消費することになる。その中で掴み取った内定が「アンマッチ」とならない様に工夫しながら進めてみてほしい。

君の成功を心から祈っている。

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